• 56 / 334 ページ
それなのに・・・まるで今までの憂鬱な日が、

突然、嵐のように吹き飛んだように思われた。

-今まで歩き出していた闇の中から一筋の光が差したようだった。

『あの人』に会ってないのに・・・?「再開」もしてないのに・・・?

『あの人』と約束の小指の温もりが消えたのにどうして・・・?

そう思って夢はならなかった。
そう思った後、ふと夢は机の椅子にある鞄を見た。
そこにはさっき詩音と帰ってた時に自分が持っていた鞄だった。
鞄にわずかな朝トラックに轢かれそうになった拍子に、鞄に傷が一つ出来ていた。

-まるで朝にトラックに轢かれそうだった(証拠)のように。

「・・・・・朝のトラックに轢かれそうだった時、確かに詩音くんに似てたけど・・・」

それを見て夢は呟く。その後、夢はベッドから起き上がった。

「・・・・・やっぱり違ったのかな・・・。
・・・今度、言いにくいけど詩音くんに聞いてみようかな・・・」

そう考え、呟くと夢はベッドの中に入り、目を瞑って寝息をたてはじめた。





-まさか、この日から「運命の日」のカウントダウンが

 始まっていたなんて夢もそして誰にも気づいていなかった。










-ただ『二人』を抜いて・・・・・・。

更新日:2011-11-13 22:07:23

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook

光の姫と魔法の一カ月Ⅱ-再開ノ日-