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会いたい。

ガラッ

再び部屋の扉を開く物音で私は顔をそちらに向けた。

「どうしたん?チャンミンは?」

「・・・行っちゃった・・・」

「え?何で?」
お母さんは、チャンミンがこの場にいないことに不思議そうな顔を私に向ける。
私が・・聞きたいよ・・・。


「お仕事・・・だって・・・。」

「あ・・そうなの・・・なら仕方ないね」

「仕方ない?何で?」

「え?仕事やったら仕方がないやん」

「私・・・こんなになってるんだよ?何で一緒にいてくれへんの?何で、簡単に離れられるん?チャンミンは・・・一緒にいたくないん?何で?」
不安な気持ちをこうやってぶつけることしかできなかった。
チャンミンは仕事だから仕方ないのに・・分かってるのに・・・
これからの不安・・・お腹の子供を失った不安・・・全ての不安を拭うことができなくて、分かってるのに、こうやってチャンミンへの不満として全部の心の閊えをぶつけることしかできなかった。

そんな私を理解してか、お母さんは何も言わずに抱きしめてくれた。

「チャンミン・・・グスンッ・・・一緒に・・・グスッ・・・いたいよぉ・・・ずっとずっと側にいたいよぉ・・・」

「何がそんなに不安なん?言ってみ?」

「・・・チャンミンの声が聞きたい・・・でも・・・聞ける方法がない・・・私から会いに行ける方法がない・・・」

「・・そう・・・会いたいんよね。会いたいんよね・・・。もうちょっとの我慢。退院したら、会いに行こう^^ね?」

「うん・・」

お母さんは私を安心させようと、それからもずっとずっとチャンミンに会いたいとしか言わない私を頷きながら聞いてくれた。










更新日:2010-11-21 00:35:36

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