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再会

「・・・・」
あれ・・・、まだ夢の中?
いい夢でも見てるのかな?

目の前に私が会いたくてたまらなかったチャンミンがいる。
そんな訳ない。

だから・・もう一度・・目を閉じた。

すると・・・

「寝ないで下さいよ・・・」
歌声とはまた違う・・心に響く、低くそして甘く私に話かける声。

「・・・えっ?!」
やっと現実だと理解した私は、勢いよく目を開いた。

「チャンミンっ!?」

「そうですよ?」

「ほんとに!?」

「別人に見えますか?」

「ううん・・・だって・・もう・・・会えないと思って・・・たから・・・」
会えた驚きと嬉しさで、また目には熱いものが込み上げてきて・・・。
チャンミンが霞んでしまった。
私は・・・チャンミンを思うと・・・どれだけの涙を流すのだろうか。

体中の水分が枯れてしまうんじゃないかってくらい、泣いている気がする。
それは、チャンミンも同じように思っていたみたいで・・・。

「ほら・・また泣くんですか?」
そう言って、私の涙を手で拭ってくれて。
その手のぬくもりが全身に伝わってくるようで。
今、私が抱えている感情が何なのか・・訳が分からなくなってきた。

嬉しいのに・・・信じられなくて・・・どうしたらいいのか・・・もう・・・ほんとに何なのか分からない。

ちゃんと今の嬉しい気持ちを伝えられなくてゴメンね?
私の心臓に手をあててくれたら・・・この緊張と嬉しさを伝えられるのに。

「会いたかった・・・」
チャンミンは私の薬指にチュッとキスをして。
初めて、薬指に指輪がはまっていることに気付いた。

「・・・指輪・・・」

「ここに・・戻ってくるべき指輪です。この指輪はあなたの・・・この薬指にないと可愛そうなんです。寂しがるんです。僕と同じように・・・」

私は・・嬉しくって・・言葉にならない笑顔でチャンミンを見ていた。



更新日:2010-10-10 22:53:25

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