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『十三人の参加を確認。
規定人数に達しましたので、
只今よりブレインキラーを開始します。』
ブレインキラー?
聞いたことのない単語に青年は首を傾げた。
ピッと音が鳴り、画面にはメニュー画面が表示された。
項目は三つ。
一 プレイヤー情報
二 ルール
三 ソフト
青年はすぐさま『一』の項目を選択した。まずは自分のことを知りたかった。自分は誰で、どうしてこんなところにいるのか。
画面が表示されるまでがじれったい。早く、早く、心の中で呟きながら青年は表示された情報を食い入るように見つめた。
『
プレイヤー情報
三笠純也
法泉高等学校 二年A組
身長 百七十二センチ
体重 五十八キログラム
血液型 A型
』
三笠純也。それが青年の名前だった。
口に出して何度も何度も復唱する。
復唱するたびに、三笠純也という名前が自分の体の中に溶け込んでいくような安心感を感じていた。
いまだに何も思い出せないが、自分の名前が分かったことで純也の精神は落ち着きを取り戻していった。
冷静になった今、改めて今の状況を確認してみる。
純也はどういうわけか、記憶を失い、この廃墟のような建物の中に放り込まれた。
誰が、どういう意図で?
ブレインキラー。
最初に端末に表示された言葉は、、まるで今から何らかのゲームが始まると告げているようだった。
ゲーム。ということはルールが存在する。
メニュー画面に戻ると、純也は次に『二』の項目を選んだ。
すると、画面に『基本ルール』と『第一ゲーム』という二つの項目が表示される。
純也は『基本ルール』を選択した。
『
基本ルール
一、プレイヤーは与えられたクリアー条件を
制限時間以内に満たすこと。
二、ゲームは全部で四つ。
その全てをクリアーしなければならない。
三、制限時間内にゲームをクリアー出来なかった場合、
プレイヤーの首につけられた首輪が爆発します。
四、このゲームに法律や倫理は意味を成しません。
』
「な、何だよ、これ……?」
純也は震える手で自分の首筋に触れる。
今まで気付かなかったのが不思議なほどの硬く冷たい感触がそこにはあった。
幅三センチほどだろうか、何かの金属で出来た首輪が純也の首を覆うようにくっついている。
外そうと力を入れてみるが、びくともしない。
首の右横側にカードか何かを差し込むスリットがあるが、それが何の穴なのかも分からない。
「こ、これ、爆発するのか……?」
嘘だろう。何かの冗談に違いない。
そう思いたかったが、ずっしりと重たく感じられるその首輪の存在感は、むしろこれが本物の爆弾なのだと語っているようにも思える。
「そ、そうだ! 他に人がいるはずだ。とりあえず誰かと会ってみよう!」
画面には十三人の参加を確認、とあった。つまり十三人目が純也であるならば、純也の他にもここに十二人の人間がいることになる。
彼らと話が出来れば、今の自分の状況をもっと詳しく知ることが出来るのではないか。
純也は鉄のドアの取っ手へと手をかけた。
ガキン!
しかし鍵がかかっているらしく、ドアは開かなかった。
「ど、どうして!」
何度も取っ手をひねってみるが、ドアは微動だにしない。
「ま、まさか……?」
不意に恐ろしい考えが浮かび、純也の顔色が真っ青になる。
慌てて手に持った端末を操作し、『ルール』の中の『第一ゲーム』を選択する。
『
第一ゲーム ロジックキューブ
部屋の謎を解き、部屋から脱出してください。
制限時間は三十分。
残り時間 二十八分三十秒
』
こうして第一のゲームが幕を上げた。
規定人数に達しましたので、
只今よりブレインキラーを開始します。』
ブレインキラー?
聞いたことのない単語に青年は首を傾げた。
ピッと音が鳴り、画面にはメニュー画面が表示された。
項目は三つ。
一 プレイヤー情報
二 ルール
三 ソフト
青年はすぐさま『一』の項目を選択した。まずは自分のことを知りたかった。自分は誰で、どうしてこんなところにいるのか。
画面が表示されるまでがじれったい。早く、早く、心の中で呟きながら青年は表示された情報を食い入るように見つめた。
『
プレイヤー情報
三笠純也
法泉高等学校 二年A組
身長 百七十二センチ
体重 五十八キログラム
血液型 A型
』
三笠純也。それが青年の名前だった。
口に出して何度も何度も復唱する。
復唱するたびに、三笠純也という名前が自分の体の中に溶け込んでいくような安心感を感じていた。
いまだに何も思い出せないが、自分の名前が分かったことで純也の精神は落ち着きを取り戻していった。
冷静になった今、改めて今の状況を確認してみる。
純也はどういうわけか、記憶を失い、この廃墟のような建物の中に放り込まれた。
誰が、どういう意図で?
ブレインキラー。
最初に端末に表示された言葉は、、まるで今から何らかのゲームが始まると告げているようだった。
ゲーム。ということはルールが存在する。
メニュー画面に戻ると、純也は次に『二』の項目を選んだ。
すると、画面に『基本ルール』と『第一ゲーム』という二つの項目が表示される。
純也は『基本ルール』を選択した。
『
基本ルール
一、プレイヤーは与えられたクリアー条件を
制限時間以内に満たすこと。
二、ゲームは全部で四つ。
その全てをクリアーしなければならない。
三、制限時間内にゲームをクリアー出来なかった場合、
プレイヤーの首につけられた首輪が爆発します。
四、このゲームに法律や倫理は意味を成しません。
』
「な、何だよ、これ……?」
純也は震える手で自分の首筋に触れる。
今まで気付かなかったのが不思議なほどの硬く冷たい感触がそこにはあった。
幅三センチほどだろうか、何かの金属で出来た首輪が純也の首を覆うようにくっついている。
外そうと力を入れてみるが、びくともしない。
首の右横側にカードか何かを差し込むスリットがあるが、それが何の穴なのかも分からない。
「こ、これ、爆発するのか……?」
嘘だろう。何かの冗談に違いない。
そう思いたかったが、ずっしりと重たく感じられるその首輪の存在感は、むしろこれが本物の爆弾なのだと語っているようにも思える。
「そ、そうだ! 他に人がいるはずだ。とりあえず誰かと会ってみよう!」
画面には十三人の参加を確認、とあった。つまり十三人目が純也であるならば、純也の他にもここに十二人の人間がいることになる。
彼らと話が出来れば、今の自分の状況をもっと詳しく知ることが出来るのではないか。
純也は鉄のドアの取っ手へと手をかけた。
ガキン!
しかし鍵がかかっているらしく、ドアは開かなかった。
「ど、どうして!」
何度も取っ手をひねってみるが、ドアは微動だにしない。
「ま、まさか……?」
不意に恐ろしい考えが浮かび、純也の顔色が真っ青になる。
慌てて手に持った端末を操作し、『ルール』の中の『第一ゲーム』を選択する。
『
第一ゲーム ロジックキューブ
部屋の謎を解き、部屋から脱出してください。
制限時間は三十分。
残り時間 二十八分三十秒
』
こうして第一のゲームが幕を上げた。
更新日:2010-08-29 12:54:45