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第2ゲーム 『フラッグ』
「フラッグ……」
思わず口から出た言葉はかすかな震えを伴っていた。
純也は端末を見ながら、恐怖に顔を引きつらせた。
それは純也だけでなく、この場にいる誰もが同じ反応をしている。
純也の後ろにいる美耶子は蒼白な表情で、まるで藁にでも縋るかのように純也の服を掴んでいた。
第二ゲームの開始に伴い、端末にも変化が現れていた。
『ルール』の項目に、『第二ゲーム』という欄が増えたのだ。
純也は端末を操作し、『第二ゲーム』のルールを表示した。
『
第二ゲーム フラッグ
一 制限時間内に試験に合格し、次のフロアーへ上がってくださ
い。
一 試験を受けるには、チェックポイントに設置されたカードを
端末に五枚以上読み込ませる必要があります。
一 カードは一枚につき一つの端末にしか読み込ませることは出来
ません。
一 カードはチェックポイント一つにつき、一枚のみ配置していま
す。
一 試験に失敗した場合、読み込ませたカードの情報は無効となり
ます
一 このゲームから立ち入り禁止区域が発生します。
立ち入り禁止区域に進入した場合、首輪の爆弾が爆発します。
一 制限時間は六時間です。
残り時間 五時間 五七分 二十三秒
』
これが第二ゲームの概要だった。
文面を読んだだけでは詳しいことは分からないが、要はスタンプラリーのようなものだと純也は思った。
各地でスタンプを集め、ゴール地点で問題に答えて正解することでゲームがクリアーとなる。
最初のゲームに比べると、いささか危険度は少ないようにも感じられる。だが、不穏な言葉もあった。
「立ち入り禁止区域……」
「進入したら首輪が爆発するって……」
純也の呟きに美耶子が続いた。
「へぇ~、なかなか面白そうじゃん」
不安と恐怖に慄く面々の中で田嶋だけが嬉々とした表情を浮かべていた。
「面白そうって……まだどこにどんな危険が潜んでいるかも分からないのよ?」
玲子がキッと鋭い視線を向けるが、田嶋は軽く肩をすくめてみせただけだった。
「まぁ、玲子ちゃんの言うことも最もか。でも、もうゲームは始まってるみたいだぜ? ここでじっとしていたい奴はそうしていればいいさ。俺は行くぜ?」
そう言って、田嶋は端末を操作しながら通路の奥へと歩いていった。
それにつられるかのようにして、何人もの人が通路の奥へと向かう。
やがて広間には純也と美耶子、庄之助に玲子の四人だけが残った。
「えっと、三笠君、だったかしら?」
玲子は純也へと視線を向けると、ニコリと微笑みかけた。
「貴方たちはこれからどうするつもりかしら?」
「……まだ分かりません。でも俺は団体行動の方がいいんじゃないかって思います」
「ええ、私も同意見よ。何があるか分からないもの。ねぇ、もし良かったら貴方たちと一緒に行動してもいいかしら?」
「俺からもお願いします。佐古下さんと金本さんもそれでいいかな?」
純也は美耶子と庄之助にどうするか問うように視線を向けた。
「は、はい、よろしくお願いします」
「ああ、ワシも構わんよ」
美耶子はあたふたと頭を下げ、庄之助は穏やかな笑みを浮かべる。
「それじゃあ、俺たちも行こうか」
お互いに顔を見合わせ頷き合うと、純也たちは広間を後にした。
思わず口から出た言葉はかすかな震えを伴っていた。
純也は端末を見ながら、恐怖に顔を引きつらせた。
それは純也だけでなく、この場にいる誰もが同じ反応をしている。
純也の後ろにいる美耶子は蒼白な表情で、まるで藁にでも縋るかのように純也の服を掴んでいた。
第二ゲームの開始に伴い、端末にも変化が現れていた。
『ルール』の項目に、『第二ゲーム』という欄が増えたのだ。
純也は端末を操作し、『第二ゲーム』のルールを表示した。
『
第二ゲーム フラッグ
一 制限時間内に試験に合格し、次のフロアーへ上がってくださ
い。
一 試験を受けるには、チェックポイントに設置されたカードを
端末に五枚以上読み込ませる必要があります。
一 カードは一枚につき一つの端末にしか読み込ませることは出来
ません。
一 カードはチェックポイント一つにつき、一枚のみ配置していま
す。
一 試験に失敗した場合、読み込ませたカードの情報は無効となり
ます
一 このゲームから立ち入り禁止区域が発生します。
立ち入り禁止区域に進入した場合、首輪の爆弾が爆発します。
一 制限時間は六時間です。
残り時間 五時間 五七分 二十三秒
』
これが第二ゲームの概要だった。
文面を読んだだけでは詳しいことは分からないが、要はスタンプラリーのようなものだと純也は思った。
各地でスタンプを集め、ゴール地点で問題に答えて正解することでゲームがクリアーとなる。
最初のゲームに比べると、いささか危険度は少ないようにも感じられる。だが、不穏な言葉もあった。
「立ち入り禁止区域……」
「進入したら首輪が爆発するって……」
純也の呟きに美耶子が続いた。
「へぇ~、なかなか面白そうじゃん」
不安と恐怖に慄く面々の中で田嶋だけが嬉々とした表情を浮かべていた。
「面白そうって……まだどこにどんな危険が潜んでいるかも分からないのよ?」
玲子がキッと鋭い視線を向けるが、田嶋は軽く肩をすくめてみせただけだった。
「まぁ、玲子ちゃんの言うことも最もか。でも、もうゲームは始まってるみたいだぜ? ここでじっとしていたい奴はそうしていればいいさ。俺は行くぜ?」
そう言って、田嶋は端末を操作しながら通路の奥へと歩いていった。
それにつられるかのようにして、何人もの人が通路の奥へと向かう。
やがて広間には純也と美耶子、庄之助に玲子の四人だけが残った。
「えっと、三笠君、だったかしら?」
玲子は純也へと視線を向けると、ニコリと微笑みかけた。
「貴方たちはこれからどうするつもりかしら?」
「……まだ分かりません。でも俺は団体行動の方がいいんじゃないかって思います」
「ええ、私も同意見よ。何があるか分からないもの。ねぇ、もし良かったら貴方たちと一緒に行動してもいいかしら?」
「俺からもお願いします。佐古下さんと金本さんもそれでいいかな?」
純也は美耶子と庄之助にどうするか問うように視線を向けた。
「は、はい、よろしくお願いします」
「ああ、ワシも構わんよ」
美耶子はあたふたと頭を下げ、庄之助は穏やかな笑みを浮かべる。
「それじゃあ、俺たちも行こうか」
お互いに顔を見合わせ頷き合うと、純也たちは広間を後にした。
更新日:2010-08-31 09:29:34