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第1ゲーム 『ロジックキューブ≫
頭に鈍い痛みが走り、青年は意識を取り戻した。
ゆっくりと目を開け、青年は霞む視界の中でなんとか自分のいる場所を視認しようと辺りを見回した。
建設途中で投げ出されたかのような鉄筋がむき出しの壁。窓はどこにもなく、重たそうな鉄の扉が一つあるだけだ。
寒い。唐突にそう思った。それから青年は自分が薄いカッターシャツと黒のズボンしか着ていないことに気付いた。
「ここは……?」
知らない場所。どうしてこんなところに自分はいるのか。
少し前の出来事を思い返そうとして、再び襲ってくる鈍い頭の痛みに思わず顔をしかめた。
「どうなっているんだ?」
記憶がまるでもやがかかったかのように、はっきりとしない。
とりあえず順番に思い出していこうと、青年はまず自分のことについて思い返そうとした。
「…………」
何も浮かばない。
「えっ?」
慌ててもう一度思い出そうとする。しかし、何も浮かばない。自分の名前、年齢、住所。その全てが思い出せないのだ。
「どうして……?」
途端、薄ら寒い何かが背中を駆け抜けた。
パニックになりかけた青年は、自分の足元に置いてある黒い端末に気付いた。
携帯ゲーム機ほどの大きさで折りたたみ式になっている。
端末を開けると、上部には画面がついてあり、下部には十字キーと四つのボタンがついていた。
電源が入っていないのか、端末は沈黙したままだ。
これに自分を知る手がかりがあるかもしれない。そう思い、色々と探ってみる。
やがて端末の後ろに電源と思わしき突起を見つけた。
突起を押し込んでみる。
しかし何も起こらない。故障か、もしくはスイッチではなかったのか。
端末をもう一度調べようとしたとき、
ピーーという甲高い起動音が鳴り、青年は肩をびくつかせた。
どうやら起動に時間がかかる作りだったようだ。
画面に白い光が灯り、何かの文字が浮かび上がってきた。
『ようこそ。
あなたは十三人目の参加者です。
規定人数に達するまで、しばらくお待ちください。』
一瞬の沈黙の後、端末からピッと音が鳴り、画面に別の文字が浮かび上がってくる。
『十三人の参加を確認。
規定人数に達しましたので、
只今よりブレインキラーを開始します。』
頭に鈍い痛みが走り、青年は意識を取り戻した。
ゆっくりと目を開け、青年は霞む視界の中でなんとか自分のいる場所を視認しようと辺りを見回した。
建設途中で投げ出されたかのような鉄筋がむき出しの壁。窓はどこにもなく、重たそうな鉄の扉が一つあるだけだ。
寒い。唐突にそう思った。それから青年は自分が薄いカッターシャツと黒のズボンしか着ていないことに気付いた。
「ここは……?」
知らない場所。どうしてこんなところに自分はいるのか。
少し前の出来事を思い返そうとして、再び襲ってくる鈍い頭の痛みに思わず顔をしかめた。
「どうなっているんだ?」
記憶がまるでもやがかかったかのように、はっきりとしない。
とりあえず順番に思い出していこうと、青年はまず自分のことについて思い返そうとした。
「…………」
何も浮かばない。
「えっ?」
慌ててもう一度思い出そうとする。しかし、何も浮かばない。自分の名前、年齢、住所。その全てが思い出せないのだ。
「どうして……?」
途端、薄ら寒い何かが背中を駆け抜けた。
パニックになりかけた青年は、自分の足元に置いてある黒い端末に気付いた。
携帯ゲーム機ほどの大きさで折りたたみ式になっている。
端末を開けると、上部には画面がついてあり、下部には十字キーと四つのボタンがついていた。
電源が入っていないのか、端末は沈黙したままだ。
これに自分を知る手がかりがあるかもしれない。そう思い、色々と探ってみる。
やがて端末の後ろに電源と思わしき突起を見つけた。
突起を押し込んでみる。
しかし何も起こらない。故障か、もしくはスイッチではなかったのか。
端末をもう一度調べようとしたとき、
ピーーという甲高い起動音が鳴り、青年は肩をびくつかせた。
どうやら起動に時間がかかる作りだったようだ。
画面に白い光が灯り、何かの文字が浮かび上がってきた。
『ようこそ。
あなたは十三人目の参加者です。
規定人数に達するまで、しばらくお待ちください。』
一瞬の沈黙の後、端末からピッと音が鳴り、画面に別の文字が浮かび上がってくる。
『十三人の参加を確認。
規定人数に達しましたので、
只今よりブレインキラーを開始します。』
更新日:2010-08-29 12:54:10