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第二章 お勉強

~4-302号室~

母「ただいまぁ」

と母が疲れた様子で帰ってくると美味しそうなカレーの香りがした。

良美・ルシック「おかえりなさい!」

母「!!?」

ルシック「お邪魔しています。」

母「あっ・・・どうも・・・」

キッチンでは良美がカレーを作っていて、ルシックは机拭きをしていた。

良美「隣の部屋に引っ越してきた留学生のルシック君だよ。」

母「はじめまして。娘がお世話になっています。」

ルシック「いえいえ、こちらこそ・・・色々とお世話になっています。」

良美「あんまりお世話って程のことしてないんだけどね」

母「ところで、今日は?」

ルシック「いや、良美の家で夕食をごちそうになろうとしいています。」

良美「いいでしょ。どうせたくさん作っても中途半端に残って腐るだけだから・・・」

母「まぁいいけど・・・・」

母の内心「まぁ・・・今日くらいはいいか・・・」

と思い食事をすることに・・・

今日の夕食はカレーライスとサラダであった。
お好みでマヨネーズかドレッシングをかけて食べる。

三人「いただきます!」

ルシックはカレーを一口、口に入れると

ルシック「うん!カレーおいしい!良美は料理上手なんだね!」

良美「いや、カレーなんて誰でも出来るし、
    私よりもお母さんのほうが上手だな・・・」

ルシック「そうなんだぁ。良美のお母さんは料理上手なんだね」

母「まぁ・・・少なくとも良美よりは上手よ。
   料理によっては良美のほうが上手な時もあるけどね。」

良美「ほとんどお母さんの料理のほうが美味しいけどね」

ルシック「そうなんだぁ。今度お母様のお料理も食べたいなぁ」

良美「めちゃくちゃおいしいからほっぺた落ちるかもよぉ」

ルシック「アハハッ!そうかもしれないね」

良美「そしたら頬こけちゃうね。」

と言うと、三人は笑った。

ルシック「ねぇ、良美。この細長い野菜は何?」

良美「あぁ、もやしのこと?」

ルシック「もやし?」

良美「うん。ちなみに、
    体が細くて弱々しい人のことをもやしっ子って言うんだよ。」

ルシック「へぇ、そうなんだぁ」

ルシックの内心「絶対言われたくねぇ・・・」

良美「まぁ、ルシックは強いからもやしっ子じゃないけどね。」

ルシック「なら、良かった」

と言い、ルシックはカレーを一口食べた。


食事が終わると母は風呂に入った。

良美が皿を片づけていると

ルシック「僕が片付けるよ。」

良美「いや、いいよ。自分で片付けるから」

ルシック「夕食ごちそうになったのに、
       何もしないというのはちょっと・・・」

良美「今日は、ルシックは客人なんだから
    客人は客人らしく・・・」

ルシック「えっ、客人!?僕と良美はもう友達でしょ!」

良美「えぇー!!!」

良美はすごく驚いた。
会ってその日に友達と言われたのが初めてだったからである。
良美は少し冷静に考えた。

良美の内心「そうか・・・ルシックの世界では
       昨日の他人は今日の友なんだな・・・
       にしても近づくの早いなぁ・・・・」

ルシック「えっ、違うの!?」

良美「いや・・・友達は友達だけど・・・
    親しき仲にも礼儀ありって奴で・・・」

と言い、皿を持ち上げるとルシックがひょいっと取り上げ

ルシック「じゃあ、何かしてもらったら自分からも相手に何かする。
      これも礼儀じゃないのかな?」

と言うと、ルシックは皿を流し台に持っていった。

良美「いや、その・・・ええっと・・・そういう意味で言ったわけじゃ・・・」

ルシック「じゃあどういう意味?」

良美「してもらったらしてもらったで甘えてもいいよってことだよ!」

ルシック「僕は、できることは今のうちにやりたい人だから気にしないで」

と言うとルシックは皿を洗い始めた。しかも魔法で突然水が宙に浮いた。

良美「うわぉ!水が!!」

ルシック「これぐらい普通だよ。」

良美「いや、私の世界では普通じゃないんだけどなぁ・・・・」

ルシック「そういえば、良美の世界の人は魔法使えないんだっけ・・・」

良美「うん。だから自分が魔法使いだってことはあまり周りの人にばらさないでね」

ルシック「うん。そうするよ。悪い人に悪用されても困るし」

良美「そうだね。それがいいよ」

と言っている間にあっという間に皿は洗い終わっていた。
しかも風属性の魔法できれいに乾いていた。

更新日:2010-08-26 02:40:46

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