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10.明るい未来へ
満ち足りたクリスマスの翌日は、結城の送別会を兼ねた売り場の
忘年会だった。
居酒屋の一室を借りきって、賑やかに始まった。席は何故か男女で
きっちりと分かれていた。河嶋と和子の間を思いやった感じである。
この日も睦子はビールを頼まなかったが、河嶋は何も言わなかった。
さすがに、こんな時に場の雰囲気を壊しては、と思ったのかもしれない。
それとももう諦めたのか。
「一年間、今年も御苦労さまでした。色々ありましたが、みんなが
頑張ってくれて、主任として感謝してます。来年もまた宜しくお願いします。
それから、結城君の前途を祝して、乾杯!」
主任の掛け声に合わせて、みんなは唱和した。
こうして皆と飲むのは久しぶりな気がした。
結城がこの職場へ来てから、本当に色々な事があったと思う。
彼の登場が、睦子にとっては一つの転機だったような気がする。
睦子は、あの夢を思いだした。あの時に、もう睦子は結城に
掴まっていたのだ。あの時から結城を意識するようになり、
彼はどんどん睦子に近づいて来た。
結城は主任と楽しそうに笑いながら話しをしている。何を話して
いるんだろう。そう思いながら見ていたら、横に座っている浜田が
耳元に口を寄せて来た。
「良かったわね。仲直りできたみたいで」
浜田は楽しそうに笑っている。
睦子は微かに頬を染めて、「ありがとうございました」と言った。
「でも、彼がいなくなると寂しくなるわよね。あなただって、
毎日顔を見れなくなるんだから、寂しいでしょ?」
満ち足りたクリスマスの翌日は、結城の送別会を兼ねた売り場の
忘年会だった。
居酒屋の一室を借りきって、賑やかに始まった。席は何故か男女で
きっちりと分かれていた。河嶋と和子の間を思いやった感じである。
この日も睦子はビールを頼まなかったが、河嶋は何も言わなかった。
さすがに、こんな時に場の雰囲気を壊しては、と思ったのかもしれない。
それとももう諦めたのか。
「一年間、今年も御苦労さまでした。色々ありましたが、みんなが
頑張ってくれて、主任として感謝してます。来年もまた宜しくお願いします。
それから、結城君の前途を祝して、乾杯!」
主任の掛け声に合わせて、みんなは唱和した。
こうして皆と飲むのは久しぶりな気がした。
結城がこの職場へ来てから、本当に色々な事があったと思う。
彼の登場が、睦子にとっては一つの転機だったような気がする。
睦子は、あの夢を思いだした。あの時に、もう睦子は結城に
掴まっていたのだ。あの時から結城を意識するようになり、
彼はどんどん睦子に近づいて来た。
結城は主任と楽しそうに笑いながら話しをしている。何を話して
いるんだろう。そう思いながら見ていたら、横に座っている浜田が
耳元に口を寄せて来た。
「良かったわね。仲直りできたみたいで」
浜田は楽しそうに笑っている。
睦子は微かに頬を染めて、「ありがとうございました」と言った。
「でも、彼がいなくなると寂しくなるわよね。あなただって、
毎日顔を見れなくなるんだから、寂しいでしょ?」
更新日:2010-09-09 09:19:14