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6.サティスファクション


 9月の第1週の土曜日、2人は朝早くに富士スピードウェイに
向かって出発した。
 結城は車で睦子の家の近くまで迎えに来てくれた。乗って
いる車はトヨタのカローラ・ルミオンだった。色は「ブラッキッシュ
レッドマイカ」だと言う。何だか舌を噛みそうだ。ダークな赤とでも
言おうか、茶と紫が混ざったような赤と言おうか、普通の明るい
赤とは違う、渋いが綺麗な色だ。
 ごついのにスマートな印象で、アウトドアな結城によく似合っている。
 内装もスッキリしていて、インパネのスッキリさには目を見張った。
メーター類が4つ、一部が重なるようにして並んでいて個性的だ。
一番右端のスピードメーターの隣にドライブモニターと言うのが
付いていて、時計や外気温、平均燃費、瞬間燃費、航続可能距離、
平均車速などの情報を表示する。
 家の古いタイプのカローラしか運転した事の無い睦子には、
ひどく新鮮に映った。
「この、天井はどうなってるの?」
 天井にカバーみたいなものが付いている。
「ああ。これはね。ルーフシェードなんだ。上はサンルーフになって
るんだけど、夏場は熱いからシェードを被せてるの」
「へぇ~。そうなんだ。今はシェードなんて付いてるんだ」
 サンルーフのある車には憧れるが、夏場はかなり暑いだろうと
思っていた。
「ルーフ自体、かなり遮光性があるんだけど、それでも真夏はね」
 車は横浜町田I.Cから東名高速道路へと入った。

更新日:2010-08-20 18:28:03

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