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小説

携帯でもPCでも書ける!

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当日朝

<……深夜の更新だったので、目を通した人は少ないかなとか、
言わなきゃ判らないかなとも思ったのですが、念のためお知らせしておきます。>

……こんな感じかな。

僕は『mdb』(拙作『my dear brother』の略)の感想欄に、本文の一部を訂正した旨を記した。
登場人物の年齢設定のミス。未婚の女性の年齢。実年齢を書くのは気が引けてしまった。
話の中だけでも若くしてあげようと思ったのはいいけれど、読み返して見ると矛盾が生じることに気が付いた。
……どうする? 知らん顔しちゃう? 誰も気付かない?
本当の事を言うと、書いている時点で気付いていた。
どうせ誰も気付かないだろうと思い、そのまま公開してしまった。
ベッドに入ってから気になり始めてしまった。
……今は登場回数は少ないからいいけど、今後も書き続けるとすればゴールデンウィークで一緒に行った旅行の話も書くだろうし、今後の展開によっては登場回数がグンと増えるかもしれない。訂正するなら早い方がいい。

……書き続ける事が出来ればね……今後の展開があるのならね……。

一晩まんじりと眠れない夜を過ごし、あれこれ考えた末に訂正をすることに決めた。


打ち込んだ訂正文を何度も見直し、後は<送信>を押すだけなのだけれど、僕はしばらく感想欄の記入ページとにらめっこしていた。

……書いた方がいいのか……書く必要はないのか。
うまく行けば一週間くらい……そうでなければ………そんな事は考えたくないや。
徒に人に心配をかけるような発言はしないほうがいい。
「入院します」って書いた後に更新がずっと滞ったら………書かない方が絶対いい。

僕は<送信>をクリックして、YAHOO!へとページを移した。
12星座占いをチェックするのは毎朝の日課。
これにより今日着る服の色(主にパンツ)や持って行く物、食べる物が変わる。

<今日の運勢>の文字にポインタを当て……しばらく考えてからクリックするのをやめた。

……やめた。もし12位だったら立ち直れなくなりそう。
でも縁起を担ぐためにもラッキーカラーを調べて、その色のパンツを穿いて行った方がいいのかな……。
でも今日に限って“金”なんて言われても困る! そんな色のパンツ持ってないもん。
いや、金でも銀でもラッキーカラーがあればいい。
もし、ラッキーカラー「なし」だったら立ち直れない!
「なし」なんて今まで見た事ないけど、今までないからこれからもないとは限らないもん。
その初めてが今日に巡って来たら、絶対立ち直れない!
でも……ラッキースポット「病院」ラッキーレジャー「病院に行く」ラッキーグルメ「病院食」だったら心強いな……。
…………やめた。ラッキースポット「なし」ラッキーレジャー「なし」ラッキーグルメ「なし」の可能性の方が高そうだ……。
僕は占いを見る事なく、パソコンの電源を落とした。

溜息をつきながら部屋を見渡す。
勉強机、二段ベッド、タンス、本棚……そのひとつひとつを見ていると、買って貰った時の事など、昔の事が懐かしく思い出された。
毎日そこで暮らし見慣れているはずの部屋が、なんだか懐かしく思えて仕方がなかった。

……またこの部屋に帰って来られるのかな……くぅっ……来た……。

頭にかけやを振り下ろされたような衝撃。目も開けていられない。同時に襲ってくる吐気。
間の悪いことに、日課の筋トレを終えた兄ちゃんが部屋に入って来て、僕の様子に気付きました。
「どうした?頭痛ひどいのか?」
眉間に皺を寄せた怖い顔……これは怒っている訳ではなく心配している顔……物凄く。
「ううん……なんでもないよ。平気♪」
僕は兄ちゃんに笑って見せた。
「……そうか……早目に行くか?」
「早く行ったって、向こうは時間を指定してるんだから意味ないよ」
「でもさ……」
眉間の皺を更に寄せて「不満」「不安」の意思表示をする兄ちゃん。
……そんな顔で見ないでよ。
「さてと。今日の朝食はなんだろな~~~♪」
顔に『心配!』とクッキリ書かれている兄ちゃんの脇をすり抜けて部屋を出た僕。

そんなに心配しないでよ。きっと何でもないんだからさ!

……何でもないって信じようとしてるんだから……
あんまり心配されると不安になっちゃうよ……。

更新日:2010-07-30 20:52:00