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小説

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ふたりだけの時間


それからも・・・
啓祐さんと私は、1,2週に1度は、会っていた。
会うのは、あのビジネスホテル。
部屋を取ってから、ルームナンバーをメールしてくれる。
だから、私は、フロントを通らずに、部屋に行けた。

部屋に入ると・・・
ドアの前で、啓祐さんは、私を抱きしめ
会えなかった時間を埋めるように
甘くて激しいキスを貪るように・・・
ふたりでシャワーを浴びて
「寧々は、僕の1番大切な宝物だよ」と
私の体を丁寧に洗ってくれた。

濡れた体をバスタオルで包んで、ふわっと抱き上げられた。

ベッドでは、彼は、優しく激しく愛してくれた。
ふたりだけの時間が、永遠に続いて欲しいと願う。
私は、身も心もすべて包み込まれて
ただ、腕の中で、こんなにも女だったことを
思い知らされることが、悦びだった。


「私の部屋に、来てくれていいのに」と言うと

「寧々の部屋は、デザインを書くアトリエでもあるから
僕は、踏み込めないよ。それに、怖いんだ。
部屋に入ったら、きっと君を抱いてしまう。
そしたら、帰れなくなる。ずっと一緒に居たいと思う。
毎日でも、寧々の部屋に行ってしまう」

「それでもいい。毎日、会いたいの」

「デザイナーの夢は、諦めるのか ?
そんなの駄目だ。僕なんかの為に
将来を嘱望される君の才能を潰す訳には、いかない」

「才能なんて・・・ないかもしれないのに」

「そんな事ないよ。君は、きっとやってくれる。
素晴らしいデザイナーに、なれる。僕は、信じてるよ」

「私は、啓祐さんの傍に、居られるだけでいいのに」
涙が、零れた。

もしも啓祐さんが、独身だったら・・・。
考えても仕方ない。出会うのが、遅過ぎた。違う。
もう少し早く生まれたかった。
啓祐さんが、奥さまと出会う前に、会いたかった。
大人の女性として、彼の前に・・・。

そしたら、ふたりは、何も煩わしいことを考えずに
初めから素直に、愛し合えたのだろうか。

更新日:2010-07-25 00:18:37