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少年 5

両手で震える身体をきつく抱き締め、余りの痛みに涙が流れた。
でも、僕は自分では抑えられない、誰にも言えないこの身体と神経?の苦痛からの開放感が好きだし、無理やり起こる排泄で陰茎は刺激され、満足に弄らなくても精液を飛ばし、何とも言えない、お尻と陰茎が絡み合う快感に満足していた。
 しかし今は、荻野さんに言われるまでもなく、成り行きはどうあれ、初めて他人の家に上がり、トイレを汚し、ましてや射精するなんて僕には出来なかった。

 どのくらい経ったのだろうか、先程までの辛い腹痛が嘘のように収まり、僕は何度も溜息を吐き、身体と神経を落ち着かせた。
ペーパーで涙と鼻水を拭い、深呼吸するとお尻の後始末をして水を流した。
蜜を垂らし快感をせがんだ陰茎は今は小さく縮んで先を濡らしていた。

 落ち着いた僕はブリーフもタオルも何もないことに気付いた。
どうしょうか迷ったが、シャツの袖を引っ張り、前かがみで股間を隠し、応接間に男がいないことを祈り、そっとドアを開けた。
あっ!
男ははソファーに脚を組んでタバコを咥え、微笑んで僕を手招きした。
「大丈夫かい。こっちにおいで」
 
 僕は恥ずかしくて男と目が合わないように俯いて、またバスタオルが敷かれたソファーに腰を下ろし、急いでタオルで股間を覆った。

更新日:2010-07-19 16:00:47

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