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戻ってきてもまだ笑っている野上くんから
お茶の注がれたグラスを取り上げる。
『……だいたいなんで裸だったのよ』
心の中で文句を言っていたら
それの続きで小声でつい声に出してしまった。
「あぁ?
何?俺に欲情でも…」
バシッ
手が塞がっていたので
私は足で野上くんのふくらはぎを蹴った。
手が塞がっていると言っても
グラスを持っている右手だけだけど。
でも足が出た。
信じられない!
そういう事言うかなぁ?!
私は野上くんを黙って
軽蔑の目で睨む。
「蹴らなくてもいいだろっ!」
『蹴られるような事言う方が悪いのよっ!』
「冗談を真に受けるな!!」
『変な冗談言わないで!!』
…なんで戻ってきて早々に
こんな言い合いしてるんだろう…。
……はぁ。
またまたため息。
更新日:2009-05-11 13:49:29