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プロローグ

西暦2040年

「もう、こんな所に居ても何にも生きる希望がないな・・・」

ふと、声に出してしまった自分の本音に自分で驚いた。自分は今日の今日まで何も文句を言わずに全てを受け入れてきたのに・・・何故だか、自分に裏切られた気分になった。
毎日が地獄だった。僕の通う中学校ではイジメをうけて、家に帰ってきても碌な相談相手もいないし、両親は毎日顔を合わせれば口喧嘩・・・心の安らぎの場所であった愛犬も母親の身勝手な理由で捨てられた。ココまで来るとむしろ吹っ切れそうなのだが、なかなかそうは行かない。
自分で今日までのことを考えていると、フトある人の顔が浮かび上がった。その人は、別に親戚であるとかそういう昔からの知り合いでなければ、気が合う友達でもなく、ただの近所の変わったおじさんだった。名前も覚えていない、けれど面白いことをよく教えてくれた。人が始めて空を飛ぼうと思った心情や、もう珍しいものでしかない本についてなど、指で数えれる回数しか会ってないが、教えてもらった事はたくさんだった。そんなおじさんが、最近あった時に変な事を言っていた。

「過去に行きたくないか?」

初めは悪い冗談にしか思わず適当に返事をしていたが、今考えればすごい事なのかもしれない!自殺なんかをする前に、一度試しに騙されたと思って彼の許に行って見よう。



西暦2010年

「毎日何も変わらない!・・・・でもいいか、めんどくさいし!」

いつもの独り言・・・家族全員はもう慣れて、何も反応を示さなくなった。少し楽しくないと思うけれど、このやり取りももう慣れた。どこかの世界では、きっと今この瞬間も未確認生命物体とかそういうのが発見されたり、超常現象とかが起こってたりしてるのかもしれない。なんて、SFじみた事を考えたりした。コレも毎日・・・。心の中で私は思う・・・

『どうか!神様!私の目の前で、超常現象をーーーーー!』

と、コレも毎日願っている事だけど・・・。

更新日:2010-05-22 18:43:21

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