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◆りん◆

 りんは、こどもの時の方が、正直言うと書きやすいです。
 別に周囲にモデルがいる訳ではないのですが、一番素直な言葉を言わせれば、こどもりんは作れるからです。
 その素直な言葉に、殺生丸が無意識に戸惑い驚くのが私的には面白いかな?
 もちろん大人りんも素直です。
 現代には死滅した人種ですね、確実に。 

 最終回にちらっと出てきたように、楓の元で助手的な仕事をしていても、巫女仕事はかごめがいるから敵うわけないので、分業体制で、りんには医療担当を勝手に振り分けてみました。
 そう言った側面を、小説サイト掲載「鏡」から描きはじめ、前作『想月ノ歌』収載「紅の雪」で村での立場、そして、今回ははっきりと“薬師”と職業名として書いたのは、彼女の成長を描いてみたかったからでもあります。
 “薬師”としての腕があれば、どんな素性の者であっても、それなりの尊崇は受けられるかなと思います。
 書きながら、私に彼女のような真っ直ぐな心根と手に職があれば、としみじみ思ったのは内緒です(笑)

 私の描くところのりんは、風のような捕らえどころのない性質をしています。
 執着心が薄い、とでも言うのかな?
 もちろん、元気で素直で健康的で、誰にでも愛される性格なのですが、幼児期の体験上、どこか達観している部分がある、と言う設定です。
 ひょっとすると、自分の生命もあっさり手放してしまいそうなぐらい、あるがままを受け入れる性質(性格ではなく)なため、そこが殺生丸を焦らせる訳なんですが、そう言ったことは本人にはわからない。
 で、殺生丸はひとりやきもきするわけです。

 このままだと年を経た尼僧のような女の子になりそうなので、もし、今後書くことがあれば、もう少し少女らしい面も書けたらと思います。

更新日:2010-05-17 21:52:38

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『夜光の盃』ライナーノーツ・・・のようなもの