• 29 / 31 ページ
 昨日の乱暴とは比べるまでもなかった。
 愛されている実感が、睦の胸をいっぱいにする。
「ゆぅご……愛してる」
 うわごとのように呟くと、胸に熱い雫が落ちてきた。
「なに、泣いてるんだよ」
 ほのかに笑う睦に、雄吾は顔をくしゃくしゃにして微笑み返す。
「泣くことじゃないだろ」
「だって……ずっと睦とこうしたいって夢見てた。絶対、無理だってわかってたのに、どうしても諦められなくって、自分でもバカだって思ってた。それが本当のことになったんだよ?俺がどんなに嬉しいか、睦、わかる?」
「これからは、雄吾のものだよ」
 腕を伸ばせば、吸い込まれるように雄吾が折り重なってくる。体勢が変わったことで挿入の角度が変わり、深いところまで突き上げられてた。
「ぁあっ!」
「ごめっ……大丈夫?」
「気持ちよすぎ。……当たってる感じ」
 雄吾を抱きしめると、中で性器がビクンと跳ねて、睦のいいところを刺激する。
 思わず体を竦めると、雄吾はそこを狙ったように、腰を動かし始めた。
「ぁあん、だめ、ちょっ、待ってってば!」
「感じて。いっぱい、俺を感じて」
 熱く太いものに攻められて、睦は息をつくこともままならない。
 直截な突き上げが睦の脳まで掻きまわす。
「あぁっ、あ、あ、あああっ」
「睦の中、トロトロになってる。すごく気持ちいい。絡みついてくる」
 雄吾が体を動かすたびに、ぐちゅぐちゅといやらしい音がする。
 体の奥の気持ちいい場所を、張り出したところが引っかき、膨れた幹が擦りあげる。
 血管の中で血が沸騰し、泡立っている。皮膚の下を走る快楽は絶え間なく、四肢の末端まで駆け抜ける。
 ぐぐっと体が反り返り、細い手足が強く突っ張る。
 頭の奥で光が明滅し、白い光が強くなる。
 雄吾に包まれ、雄吾に満たされ、雄吾のことしか考えられない。
「あぁん、ゆうっごっ!」
 睦が雄吾に爪を立ててしがみつく。
 力強い腕に抱きしめられ、睦は白い液を迸らせた。
「俺もっ」
 雄吾の突き上げが激しくなる。
 イったばかりの体は、さらに高みへと持ち上げられ、今まで体験したことのないところへ連れて行かれる。
「ゆぅごっ」
「むつみぃっ」
 体の中で、熱い飛沫が飛び散った。
 同時に、頭の後ろで白い光が爆発した。
 落ちていく。
 暗くて、温かくて、心地いい闇に、意識が沈んでいく。
「睦?むつみ、むつ……」
 心配に愛しさが混じった雄吾の声に、睦は心の中で微笑んだ。
 雄吾に愛されている。
 睦も愛している。
 雄吾が傍にいてくれたら、何が起きても大丈夫だ。
 睦は安心して、深い眠りに落ちて行った。

更新日:2010-05-09 18:24:48

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook

友情が恋に変わるとき(雄吾x睦)