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小説

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 仕切り直しは、憧れのシチュエーションで、と雄吾が力説するので、睦は大人しくつきあってやることにした。
 いい匂いのするピンクの入浴剤を溶かした泡風呂に二人で入り、文字通り、頭の先から足の先まで雄吾に洗われた。
 それだけで、もう充分だったのに、湯上がりはいつものバスタオルではなくて、高級ホテルのロゴの入ったふかふかのバスローブに包まれた。
 しかも、自分で歩けると力説したにも関わらず、姫抱っこで風呂場を出て、台所の丸椅子に座らされる。
 寝室の支度が整うまで、ここで待てということらしい。
 しばらくして、また姫抱っこで寝室に連れて行かれた睦は、室内の様子に思わず噴き出した。
「何だよ、これ」
「えー、ロマンチックだろ?」
 部屋のいたるところに立てられたキャンドルには火が灯り、淡いオレンジ色の光を放っている。キャンドルからだろうか、室内には甘い香りも漂っている。
 ウケを狙っての演出ではなさそうだ。
 本気の本気で、雄吾は睦との『初めて』をこの室内で迎えたいらしい。
 雄吾がその気なら、まぁいいか、と睦はこみ上げる笑いを飲み込み、雄吾の首にしがみついた。
 ベッドのシーツも、いつもの薄い木綿ではなく、睦の好きなパイル地に取り換えられている。 ベッドに下ろされた睦は、パイルの柔らかな肌触りにうっとりと頬ずりをした。
「睦……」
 後ろから雄吾がそっと寄り添う。
 抱きしめられることなんか慣れているはずなのに、今日はなぜかドキドキする。
 腰にバスタオルを巻きつけただけの雄吾の姿のせいかもしれない。鍛えられた胸板の厚さや逞しい二の腕が、ローブ越しにもはっきりわかる。
 緊張で硬くなった睦の首筋に、軽いキスが落とされた。
「ひゃっ」
「睦が嫌なら、何もしないよ」
 そう言いながらも、硬く膨れたものが睦の尻に当たっている。睦のうなじや耳の下に、頬ずりしたり、キスしたり、何もしないどころじゃない。
 体の前に回された両手も、ローブから出ている腕や指を撫で回す。
 触れるか触れないかの微妙な愛撫に、肌が粟立つ。次はどこを触られるのかと、期待と不安が混じった奇妙な感情が沸き起こる。
「触るなら、ちゃんと触れよ」
 震える声で命じると、くすっと雄吾が笑った。
「触っていいんだね?じゃ、遠慮なく」
「ぁあっ」
 耳の下を強く吸い上げられて、睦は全身を震わせた。焦らされた後の強烈な刺激に、体の奥の疼きが明確にされる。
 雄吾の唇が髪の生え際をたどり、うなじに至る。首の後ろの窪みに歯が立てられると、睦の体はビクビクと跳ねた。
「んーーーー」
 ローブの前が緩められ、もろ肌を脱がされた。露わになった背中や肩へも、数え切れないキスが落とされる。
「あっ、いやっ、やめ……んーーー」
 思いがけない愛撫に驚き、睦はうつ伏せのまま、背中をくねらせる。その動きが雄吾に弱いところをさらけ出すことになった。
 雄吾は滑らかな背中を両手で撫でまわしながら、くまなく唾液の痕をつける。
 ねっとりとした舌が肌を辿り、睦の肌にさざ波を立てる。雄吾がやわ肌を吸い上げると、睦の喉がヒュッと鳴った。
 睦はシーツをギュッと握って、雄吾の愛撫に息をこらした。
 自分の体がこんなに感じるとは、知らなかった。背中の真ん中をたどられると、思わず首をすくめてしまうし、腰骨の脇を齧られると、恥ずかしいほどの声が出る。
 肩甲骨の下縁や腕の付け根、肋骨の少し下のところなど、自分でも知らなかったポイントを、雄吾は我が物顔で愛撫していく。
 こんなのおかしい。
 今まで、雄吾に抱きしめられても、こんなことにならなかったのに。
「あぁ……お前、変な薬使っただろ」
「使ってないよ。睦が敏感すぎるだけ」
「嘘っ、だって、こんなのっ」
 ビクンと体が跳ねるたびに、腰が浮き、尻を高く上げてしまう。
「すっごくいやらしい恰好してるよ」
 すーっと腿から尻まで撫で上げられて、睦は大きく背中をそらせた。
 まるで、発情期の猫だった。
 シーツを握りしめた両手の間に、ぺたりと顔を埋めて、睦は荒く息を吐いた。宙に浮いた尻は、雄吾の手と口に翻弄されて、ゆらゆら揺れる。
「昨日はここにひどいことしたんだよね。ごめんね」
「やっ、触んな!」
 睦が止めるより早く、雄吾が尻の狭間にキスをする。
 微かに痛むそこを舐められて、痛みが疼きに変わっていく。
 柔らかな舌先が襞の一つ一つを広げるように動く。硬く窄んでいたそこが、次第にふっくらとほぐれていく。
 臍の奥の疼きが強くなり、睦の体が熱くなった。

更新日:2010-05-09 18:22:28

友情が恋に変わるとき(雄吾x睦)