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・・・あの時は親父の口車に乗っかっちまったがやっぱり公立へ行ったほうがよかったかもしれない。パンフレットがなかったため炎陽学園についてひとつも知らない、・・・不安だ。しかし今更後悔しても遅いよな・・・
蓮は自転車をこぎながらこんなことを思っていた。

蓮の時計は8時を指していた。入学式は9時に始まる。こっから炎陽まで約1時間ってとこだ。蓮は急いで炎陽に向かった。

地図を見ながら、向かうこと30分たった。
蓮は突然自転車を止めた。
「おかしいな?この地図では、この道を行くはずなのに行き止まりになっている・・・」
蓮はあたりを見回した。地図を見るからには遠回りをすれば確実に1時間は経過する。
「どうしようかな?こまったな・・・」
蓮が悩んでいると行き止まりの道の方向に警備員らしき人が立っている。なんとかここの道を通らせてはもらえないだろうか?
「あのぅ~」
少々怖気づきながらも声をかけてみる。
「ん?なんだ?」
警備員らしき人物はすぐに返事をした。
あまりに返事が早かったため少しビビりながらも蓮はいった。
「この道を通らしてはいただけないでしょうか?急いでいるんです。見る限りでは工事はやってなさそうですが・・・」
急がば回れということばがあるが、残念ながら蓮はそっち信仰ではない。
「道?ああ君炎学の子だね。見るところによると新入生だな?まだいたのか、まあいい入学証を見せなさい。」
めっちゃ反抗したかった。めっちゃしたかったがそんなことをしても無駄だし、そんなことをするとかえって時間がかかってしまうのは蓮が一番よく知っている。
入学証を見せろといわれたので渋々カバンの中から入学証をとりだしてみせた。
「はい、OKです。」
警備員らしき人はそれだけ言って、門をあけ
「通っていいぞ。お前は今日から炎陽学園の一員だ!学校生活を楽しめよ!」
と言った。
(何言ってんだあの警備員?炎陽はまだまだこの先。おまけに門に『ようこそ!!炎陽学園へ!』なんてかいてら・・・)
蓮はそう思いながらも自転車はこぎ始めた。
門をくぐるとさっきまでとは一風変わった街が見えてきた。
しかし蓮はすぐに気がついた。さっきまでとは何かが違う・・・なんか門をくぐる前より静かだ。
それよりさっきから人気がない、シーンとしている。なんだろう?なんかあったのかな?
蓮はそうおもいながらも学校に向かっていった。
あまりにも静か過ぎるため、さすがに不気味に思い自転車を止めた。
「なんなんだ?さっきから人っ子ひとりいやしねぇ・・・でも地図のとおりだとこのまま真っ直ぐに行きゃいいんだよな?」
不安に感じた蓮も、もう一度あたりを見回してから自転車をこぐ。
風のおとも聞こえるくらい静かだ。蓮はそんなようなことを思いながら進んでいた。

しばらくすると建物が見えてきた。
「お!あれだな、今日から通う俺の学び舎は、」
蓮はウキウキしながらもこいでいったがそのウキウキもすぐになくなった。
さっきまで遠くにあったためか小さく見えた校舎も近づくにつれだんだん大きくなる
「え・・・」
校舎はどんどん大きくなる
「嘘・・・・・・だろ?」
お構いなしにでかくなる。
「な!?馬鹿な!!」
ついに叫んでしまった。
そう校舎のあまりの大きさに。まだおおきくなるついに校舎のすぐ近くにきて自転車を止めたそして
「で、で、でけぇ~」
つい声を漏らしてしまった。
「でかいってもんじゃねえ、なんなんだこの建造物は?城か?宮殿か?高いだけじゃねぇ、広さもある・・・」
そういいながらもとてつもなく広い校舎を見渡した。 
「さすが俺、ただいま8時50分、ギリギリセーフだぜ。」
ふぅ~とため息をついた

しかし蓮はすぐきづいた
「・・・で、どこで入学式やるんだ?」
知らなかった、蓮は知らなかった、
蓮はいっきに絶望に陥った。
「???このクソ広~い校舎の中からさがすのか?」
蓮は落胆した、後10分で間に合うわけがないと
すぐさまMYチャリに乗り式場をさがした。
「どこなんだよぉ!?」

更新日:2010-05-24 21:26:45

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