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「俺が家からいなくなるということだ。」
了は言った。
「フランスに行くなら俺もつれてってくれよ。」
「それは無理だな。寮が共同なんだ・・・。」
蓮は残念な顔をしながら、
「でも俺一人でもくらしていけるよ・・・。親父・・・。」
といったが、了は首を横に振り
「お前がいたら、この家の電気、水道、ガス代や税もはらわんといかんからな、お前が高校生活とバイトの両立じゃちときつい、しかし俺がお金を支援するとこっちの生活が成り立たん。」
と腕を組ながら言った。
「じゃ、じゃあ俺はどうすればいいんだよ?」
了は怪しげな紙を出した。それは高校入学案内だった。
「こ、これは?高校の入学案内?そうか親父?」
「そうだ、お前にはここの高校にいってもらう。」
蓮はその紙をじっと見つめた。
「私立炎陽学園?」
蓮はゆっくりと呼んだ。蓮はある二文字に気づいた。
「私立って親父・・・金がかかるんじゃねえか・・・」
本澤家は大変貧乏な生活をしていた。中学時代に新聞配達と牛乳配達を掛け持ちしていた蓮にはこの二文字は見過ごさなかった。しかし了はそれを知っていたかのように顔色一つ変えない。
「家に私立に行ける金がないのは十分知ってるはずだろ?だから俺は頑張って公立に合格したんじゃないか・・・。これじゃあ電気代どころか食費も払えなくなるぞ、親父」
了だってそのことは十分知ってるはず。今年に入ってやっと了の就職が決まりこれからやっと生活が安定するというとこまで来たのに、私立に入れさせようとするのは何かあるだろうと蓮は思った。
「なんかあるな?親父・・・」
蓮は疑った。
そもそも公立にいったのは金銭面だけでなく、大学進学の希望を含めての選択だ。大学を卒業すれば、良い職に就けて家の家計が楽になる・・・家のことを思っての選択でもあるのだ。それを了が知らないはずもない。
「こんなとこ行けるわけないじゃないか・・・親父、頭いかれちまったのか?」
「おいおい・・・そこまでいうこたぁねえだろうに・・・まあよく聞け蓮、一応私立と書いてあるがこの高校は無料だ・・・つまり俺たちが授業費を払うことなし、しかも完全寮制なのでこの家を使うことはない。水道も電気もかからんわけだ・・・しかも寮は最低クラスのとこはタダだそうだ、つまりこの高校に行って払うのは食費のみ、それ以外は0円だ。」
蓮は、どうも嘘くさい話だとおもった。私立でタダ?そんなの怪しいに決まってる。しかも最低クラスといえど寮がタダなんてありえない。
「ちょっとそれはあやしすぎないか?いくらなんでもそんなむしのいい話・・・嘘にきまってらぁ!たしかにそんな私立あったら最高だがいくらなんでも話がよすぎる、もうちょっと冷静に考えてみろよ親父、何みてそんなこといえるんだ?」
「・・・・・・パンフレットをみたんだが・・・」
「じゃあそのパンフレットだしてくれよ。」
「忘れた・・・どっかいっちまった・・・」
「嘘ーー!!」
蓮は叫んだ。
「うるせえなあ、こんな時間に叫ぶもんじゃねえって・・・」
了はさっきからずっと落ち着いてる、さすがに蓮もこの冷静さに勝てず
「本当・・・なのか、親父?」
蓮は低い声で言った。こんな話信じたいけど信じられない
「こんなとこで嘘ついてどうする?事実そう書いてあったんだ、俺だって疑ったさ・・・しかし本当だ・・・俺も炎陽に何回も電話したんだぞ。」
「どうも信じられん、」
今日の親父はやっぱりどうかしてる、そんな高校みたことも聞いたこともない、怪しすぎる・・・そんな高校行くより絶対公立のほうが安全だ・・・第一いまさら高校を案内されても受験シーズンはとっくに過ぎたはずだ、おそらくそんな高校、もう定員オーバーだろう、
「なあ、そんな都合のいい高校は恐らくもう定員オーバーかもしれないぜ、あともう一度試験を受けるのはもういやだぜ・・・」
了はふっと笑いながら、
「ところがどっこい、ここはなんと入学届を提出するだけでokなんだぜ、お前がもう試験をうける必要はなし、人数もあいてるといっていた・・・・」
蓮は了の言っていることを全て信じたい、できれば全て事実であってほしいと思ったが、世の中そんなに甘くはない、このことは極貧生活をつづけた蓮にとって、もっともわかってることである。しかし了が嘘をつかないというのも良く分かっていることである。蓮は了のいうことを信じて、「分かった、その高校のすごさは十分に分かったよ・・・しかしそれより俺は大学へ進学するつもりで公立を受けたんだ・・・炎陽の進路状況が気になるんだが・・・」
こんなふざけた私立は入学してもいい大学に進学できない、むしろ大学にすらいけないと蓮は恐れていた、しかし了はわらいながら
「さっきから思っていたが、お前の質問は相変わらずドンピシャだな・・・俺が言いたいことをすぐ質問してきやがる」
了は言った。
「フランスに行くなら俺もつれてってくれよ。」
「それは無理だな。寮が共同なんだ・・・。」
蓮は残念な顔をしながら、
「でも俺一人でもくらしていけるよ・・・。親父・・・。」
といったが、了は首を横に振り
「お前がいたら、この家の電気、水道、ガス代や税もはらわんといかんからな、お前が高校生活とバイトの両立じゃちときつい、しかし俺がお金を支援するとこっちの生活が成り立たん。」
と腕を組ながら言った。
「じゃ、じゃあ俺はどうすればいいんだよ?」
了は怪しげな紙を出した。それは高校入学案内だった。
「こ、これは?高校の入学案内?そうか親父?」
「そうだ、お前にはここの高校にいってもらう。」
蓮はその紙をじっと見つめた。
「私立炎陽学園?」
蓮はゆっくりと呼んだ。蓮はある二文字に気づいた。
「私立って親父・・・金がかかるんじゃねえか・・・」
本澤家は大変貧乏な生活をしていた。中学時代に新聞配達と牛乳配達を掛け持ちしていた蓮にはこの二文字は見過ごさなかった。しかし了はそれを知っていたかのように顔色一つ変えない。
「家に私立に行ける金がないのは十分知ってるはずだろ?だから俺は頑張って公立に合格したんじゃないか・・・。これじゃあ電気代どころか食費も払えなくなるぞ、親父」
了だってそのことは十分知ってるはず。今年に入ってやっと了の就職が決まりこれからやっと生活が安定するというとこまで来たのに、私立に入れさせようとするのは何かあるだろうと蓮は思った。
「なんかあるな?親父・・・」
蓮は疑った。
そもそも公立にいったのは金銭面だけでなく、大学進学の希望を含めての選択だ。大学を卒業すれば、良い職に就けて家の家計が楽になる・・・家のことを思っての選択でもあるのだ。それを了が知らないはずもない。
「こんなとこ行けるわけないじゃないか・・・親父、頭いかれちまったのか?」
「おいおい・・・そこまでいうこたぁねえだろうに・・・まあよく聞け蓮、一応私立と書いてあるがこの高校は無料だ・・・つまり俺たちが授業費を払うことなし、しかも完全寮制なのでこの家を使うことはない。水道も電気もかからんわけだ・・・しかも寮は最低クラスのとこはタダだそうだ、つまりこの高校に行って払うのは食費のみ、それ以外は0円だ。」
蓮は、どうも嘘くさい話だとおもった。私立でタダ?そんなの怪しいに決まってる。しかも最低クラスといえど寮がタダなんてありえない。
「ちょっとそれはあやしすぎないか?いくらなんでもそんなむしのいい話・・・嘘にきまってらぁ!たしかにそんな私立あったら最高だがいくらなんでも話がよすぎる、もうちょっと冷静に考えてみろよ親父、何みてそんなこといえるんだ?」
「・・・・・・パンフレットをみたんだが・・・」
「じゃあそのパンフレットだしてくれよ。」
「忘れた・・・どっかいっちまった・・・」
「嘘ーー!!」
蓮は叫んだ。
「うるせえなあ、こんな時間に叫ぶもんじゃねえって・・・」
了はさっきからずっと落ち着いてる、さすがに蓮もこの冷静さに勝てず
「本当・・・なのか、親父?」
蓮は低い声で言った。こんな話信じたいけど信じられない
「こんなとこで嘘ついてどうする?事実そう書いてあったんだ、俺だって疑ったさ・・・しかし本当だ・・・俺も炎陽に何回も電話したんだぞ。」
「どうも信じられん、」
今日の親父はやっぱりどうかしてる、そんな高校みたことも聞いたこともない、怪しすぎる・・・そんな高校行くより絶対公立のほうが安全だ・・・第一いまさら高校を案内されても受験シーズンはとっくに過ぎたはずだ、おそらくそんな高校、もう定員オーバーだろう、
「なあ、そんな都合のいい高校は恐らくもう定員オーバーかもしれないぜ、あともう一度試験を受けるのはもういやだぜ・・・」
了はふっと笑いながら、
「ところがどっこい、ここはなんと入学届を提出するだけでokなんだぜ、お前がもう試験をうける必要はなし、人数もあいてるといっていた・・・・」
蓮は了の言っていることを全て信じたい、できれば全て事実であってほしいと思ったが、世の中そんなに甘くはない、このことは極貧生活をつづけた蓮にとって、もっともわかってることである。しかし了が嘘をつかないというのも良く分かっていることである。蓮は了のいうことを信じて、「分かった、その高校のすごさは十分に分かったよ・・・しかしそれより俺は大学へ進学するつもりで公立を受けたんだ・・・炎陽の進路状況が気になるんだが・・・」
こんなふざけた私立は入学してもいい大学に進学できない、むしろ大学にすらいけないと蓮は恐れていた、しかし了はわらいながら
「さっきから思っていたが、お前の質問は相変わらずドンピシャだな・・・俺が言いたいことをすぐ質問してきやがる」
更新日:2010-05-11 20:32:15