• 30 / 235 ページ

外にでてみるとかなり賑やかで、人がたくさんいた。
「すごいひとだなぁ、これ本当に部活の勧誘をやってるのかな・・」
蓮が少しおどろきぎみにいった。すると
「俺たちといっしょに野球をやらないか!!!」
「サッカーやろうぜぇ!!」
「水泳でインターハイ優勝を目指してみませんか?」
などと勧誘の声がする。
まあ半分お祭りみたいなものだが、なんとか新入生を獲得しようと必死である。
「すごいねぇ、どこから見に行く?」
蜜柑が蓮の方向に振り向いたが、そこには蓮はいなかった。
「あれ?蓮は?」

「すげえ!!ここの野球部甲子園優勝してるんだ!を!バスケもインターハイ出場しているんだー。すごいなどこも強そうな部活ばっかりだ!!」
蓮が感心してみていた。どうやらスポーツ部の紹介を聞いていたようだ。
「でもこんなに強くちゃはいれそうにないなぁ~。」
すこし声を落とした。
「ちょっと蓮、ここにいたの?」
蓮が声のする方向をむいた。
「―もうー、心配したんだから。」
「悪い悪い。でもここの部活とても強いから俺じゃ入れそうにないんだよな、だから別のところみにいかない?」
蜜柑が心配そうに言ったので軽く謝った。
「うん、でも今からお昼を食べない?少し早いけど混んじゃうから・・・」
時計を見た、もうすぐ12時かなと言うくらいである。
「じゃあ、そうしようかな?お腹すいてるいるし。」
蓮もそういいつつ移動を開始しようとした。

部活の紹介と言っても模擬店がたくさんあった。今日の昼食は調理部などが作ってくれたものであった。今日は一種の祭りと言ってもいいくらい賑やかでである。とりあえず席をみつけて座り、蓮は2日ぶりのご飯にありつけていた。
「おいしいなぁ、さすが調理部だよね。というか久しぶりにご飯を食べた気がする。」
食べながら蓮が言う。今思えば2日も前からなんにも口にしていなかった、蓮は改めて食事のありがたさを思い知っていた。
「蓮うれしそうだよね、ひさしぶりだもんね。」
蜜柑も蓮のことをわかってくれたようである。ものの10分ですべて平らげてしまった。
しかし今日は本当に人だらけである。蓮もまだまだ慣れないようだ。蓮はパンフレットを見ていた。
「スポーツ部ってどこも強いから俺じゃ無理かな?」
蓮が蜜柑にきく。蜜柑は少し考えながらも
「確かにこの高校はとても強いから・・・それに人気がある部活は100人以上部員がいるからかなり難しいかもしれないね。でもこんなにたくさん部活があるんだから気に入ったものが見つかるよ。」
蜜柑が言う。個人的には部員の少ない部活がいいし、人気もそこそこあるものがいいと思っていたが、意外と探すのは難しいようだ。とりあえず一週間の間があるのだからその中で決めればよいのだが・・・
蓮は少し悩んでいた。
「じゃあさ、次に文化部をみにかない?きっといい部活が見つかるよ。」
「そうだといいんだけどなぁ。とりあえず行きましょう行きましょう」
蓮と蜜柑は立ち上がってその場を後にした。

文化部もやたら多く、けっこう人がいる。しかしやたらヘンな部活も多い。しかしやっぱり合唱部も人気があるようだ。
「蜜柑ちゃ~ん、はいるんならぜひうちのアイドル部へ。」
「いやいや静岡ちゃんはいるんだったらうちの写真部でしょ。モデルにしてあげるよ。」
もうみるからに下心まるだしの野郎どもが近寄ってきた。
「きゃあ!蓮助けて」
蜜柑が蓮の背中に隠れる。
「わ!なんですかあなたたちは。」
蓮もすこしびっくりしてる。
「別に?君もうちのアイドル部にはいんないか?」
もうみるからにアイドルヲタクである。
「いえ、結構です!」
蓮はきっぱり断りその場を去る。
「はあぁ、こわかった。」
蜜柑が息をきらせながら言う。
「まったく、どういう連中なんだか・・・そういえば蜜柑って何部に入るつもりだったの?」
蓮も気になっていた。やっぱりバンド部にはいりたいのかな?
「私は・・・別に・・・蓮といっしょなら・・・」
もじもじしながら蜜柑が言う。
「俺・・・まだ決めていないし・・・それに・・・」
自分のやりたいことをやればいいんじゃない?と言いたかったがいえなかった。
蓮もなにをやりたいのかぜんぜん決めていないし、それに下手すれば入れずに終わりってこともありえる。
蓮がうつむいていた。蜜柑は蓮を見て
「だいじょうぶだいじょうぶ、きっと見つかるよ。」
と蓮をはげます

更新日:2010-06-13 01:27:22

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook