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第5話 地獄の一日

「う~ん」
うなりごえをあげながら蓮がおきた。
カーテンが開けっ放しだったため、朝の日差しが直接当たっておきたと思う。
外はいい天気でそらが真っ青ですんでいる。
今日は珍しく早く起きれた。まあ昨日早く寝たかと思う。蓮は立ち上がった。もう気分はよくなっていた。しかしすがすがしい気持ちのよい朝だ、高校生活2日目はいい状態で飾れそうだ。それに昨日はなにかとありすぎた、まあ今日からは楽しい生活が待っているんだろうな~
蓮はうきうきしながら準備した。
そしていってきまぁ~すといいながら寮を出た。

外は小鳥のさえずりが聞こえて気持ちよい、昨日の忙しい朝と大違いだ・・・ん?いや同じところもあるぞ。
すぐに気がついた。またしても人がいない。ここにいるのは、はっきりいって俺一人だ。
「馬鹿な、今日は遅刻していないぞ。」
蓮の声がこだまする。誰もいない・・・
そうか・・・なんだ俺が早すぎたんだ・・・そんな考えを持ちながら近くにある時計を見る。
見た時計は8時30分ごろをさしていた。たしか学校は8時に始まるような・・・
蓮ははっとした。そして今おかれている状況をすぐさま理解した。蓮はとたんに顔を真っ青にした。
「ち、ち、ちこくだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
蓮の叫びが響いた。完全に遅刻だ。30分オーバーの、しかも2日連続だ・・・
猛ダッシュで走った。
「やばい、やばい、やばい!2日連続だなんて・・・」
蓮はがむしゃらに走る。しかしそれはたった5秒で終わった。
「あ?あれ?」
足が動かない。俺ってこんなに走れなかったっけ?それになんか・・・・・
しゃがみこんだ。そんな、俺こんな体力なかったっけ?それに
頭がポーっとする。視界もぼやけて見える。
「く、昨日のサウナのせいか。」
まだ後遺症が残っていた。ちきしょう、こんなに急いでるときだっていうのに!
顔もすぐほてってしまい、不思議と体温が上がりまくる。まだ10秒しか走っていないのに、おかしい、おかしすぎる。しかも朝なのにやたらと腹が減る。そういえば昨日の昼からなんにも食べていなかったんだ・・・朝食べようと思っていたがこんな状況じゃぁ・・・
蓮はうずくまった。だめだ、今にも倒れそうだ・・・
すでに蓮の体は極度の空腹と脱水症状におかされていた。しかしここで倒れたら、帰りまでずっとほったらかしにしたままだ・・・何とか学校まで行かないと。
蓮はよろよろと歩きだした。
「ち、ちきしょう・・・朝起きたときこんな状態じゃなかったのに・・・」
わけの分からない現象に戸惑いが隠せない。なぜなんだ・・・蓮はそう思いながらも1歩1歩、歩いていく。今日は春とは思えないほどのいい天気なため気温が夏に近い。おそらくこの気温と直射日光等が蓮の体を急変させた。
じりじりと照りつく太陽の真下でよろよろと歩く。ただでさえ脱水症状なのに炎天下が蓮の水分を奪う。
「暑い・・・暑すぎる。」
早く学校にいかないと、時間をかければかけるほど体の水分を奪う。しかし走る気力もあるはずもなく、逆に汗かいて危険なじょうたいになる。
「う・・・水。水がほしい。」
そういいながらも学校を目指す。なんども力つきそうになるが何とか学校についた。

「はぁ、はぁ、やっとついた・・・」
本来30分のかからないところを1時間以上かかってしまった。
とりあえず日陰で休み教室を目指す。蓮は壁にもたれながら教室へ行った。しかし途中の階段などでてこずってしまいかなり時間がかかった。
そしてついに1年95組にたどり着いた。もう遅刻のことはどうでもいい。とりあえずすいたおなかを満たしたいし何より水がぁ・・・
とけいをみると10時10分だ、出たときより2時間かかっていた。

ガラガラガラ

蓮は力を振り絞って扉をあけた。
「ん?本澤じゃないか、どうしたんだ2日連続で遅刻だぞ・・・とりあえず席をつけよ・・・。」
先生がいったが蓮の耳に入るはずはなく、そのまま蓮は席にいった。
「まあ、さっきまで学年集会をやっていたんだが・・・さっきも皆きいたように昨夜、飲酒行為をしたと思われる生徒を見つけたそうです。どうやら酔っ払っていたようだが・・・お酒は大人になってからにしましょう。」
先生の話が終わった。今日はクラスの委員長を決めるようだが蓮にそんな余裕はなくずっと黙っていた。次の放課まであと30分、30分まてば水道へGOだ。蓮はじっと時計ばかり見ていた。
2日目にこんな死にそうな思いをするなんて思いもよらなかった。しかし待つだけってのもかなりしんどい。蓮は机に倒れこみながらも耐えた。
「・・・・ということでクラス委員長を務める坂本です。よろしくおねがいします。」
結構早く決まったようだ。坂本っていう男の子だな・・・とりあえずおぼえておくか・・・
蓮はもう限界がきていた。

更新日:2010-06-04 00:12:28

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