• 17 / 235 ページ
蓮は蜜柑に耳を傾ける
「え~とたしか・・・2万人だったかな、日本の高校では一番多かったような・・・」
ああ~そうか、よかった10万もいなくて・・・といっても2万はかなりの多さだぞ・・・といってもやっぱり2万でよかった。
なんか初めてこの学校のことでほっとした。
「―私もこの高校のことあんまりしらないけど、蓮って本当になにもしらないんだね。」
半ばあきれ顔で言う。入学準備って用具を準備するだけではないということが心にじっくり伝わっている。
「そういえば蓮ってどこの寮なの?」
蜜柑がきいてきた。どこっていわれても知らない。ただ無料の寮だったような気がした。
「どこか分からないんだ。寮といってもいくつかあるんでしょ?」
「そうだよ。ちなみにわたしは女子個人の洋室タイプ、ゴールドクラスだったかなぁ?」
そんなこといわれても分からない。しかし個人はたしかお金がかかるような気がした。俺の寮はどこなんだよ。
「―この学校はたくさん寮があるんだけど、おおきく分けると、個人部屋、男女別共同、そしてたしか・・・なんだったかな?かなり適当なクラスだったんだけど、そういえば男女混合でもOKだったような気が・・・とりあえず適当なのよ。」
結構あるんだなぁ、でも俺の寮は一行に分からない。
「そんなにあると困るなぁ・・・俺の寮が分からないよ・・・でも確か俺の寮は金がかからないんだよ、無料の寮なんだけどどこかわかるかなぁ?」
蓮がいうと蜜柑の顔の色が急変した。
「それって、まさかあの寮ランク最下のテキトークラス?いま思い出したわ・・・」
蜜柑が手を口の前に当てながら言う。
「―寮に泊まる人は別に決まってないためやろうとおもえば1つの部屋を独り占めしたり、逆に10人以上泊まらせることも可能だし、部屋も勝手に変えていいクラスなんだけど・・・」
「つまり寮でなにやってもいいわけなんだね。で、それが何か悪いことでもあるの?」
自由でいい寮じゃないか・・・蓮は少しわくわくしている。どんな寮かな?楽しみだなぁ。
「うん・・・・・・行ってみれば分かると思うんだけど・・・」
蜜柑が声をつまらせながら言う。蓮は若干不思議そうにしながらも蜜柑と共に寮に向った。

へぇ~よくみれば校内にいろいろあるもんだ。校内なのにコンビニや雑貨店、挙句にはゲームセンターやボーリング場、カラオケボックスや銭湯までもある。ここまでくると学校とは思いたくなくなる。蓮は町を見物しながら寮を目指した、
「寮って結構遠いなぁ。」
なんだか落ち着かない。なんてったって3年間過ごすところだからな・・・
「たぶん全寮の中で一番遠いと思うよ。といっても、もうすぐ着くと思うけど・・・」
蜜柑もなんだか落ち着かない。


しばらくして寮の目の前に立った。
「ここだよ蓮、」
蓮は建物を見た。う~んあんまりいい印象がもてない。なんか~古臭いしここの学校創立まだ5年なのにボロっちい、まあ俺が泊まるのは外なんだ・・・
「とりあえず中に入ってみようよ・・・」
蜜柑と蓮は寮の中に入った。



・・・・・・・さみし、
なんだよ、寮のはずなのに人がいないじゃないか!
俺と同居するたのもしい仲間(になる予定)はどこにいったんだよ!
とりあえずへやを見てみる。


・・・・・・・いない、
20部屋は見てきた(全て)が、ひとが一人もいないじゃないか・・・
「ねえ、なんでここはひとがいないんだよ、ここ寮のはずじゃなかったのかよ」
蓮があせりながら蜜柑に聞く、蜜柑は
「ここは一応寮だけど、きわめて不便なんだよ・・・部屋にあるのはトイレと水道と電気だけなんだよ、だから無料だし、管理人もいないから、逆に人が来ないんだよ。」
と言う。まあ寮が無料っていうのも不自然すぎて誰も近寄らんわな・・・
「あ、私寮のオリテンがあるんだった、行かなきゃ!じゃあまた明日だね蓮。」
蜜柑が去ってしまった。のこった俺でどうせよと・・・まあ黙っていてもはじまらねえ!とりあえず部屋を選ぶか・・・
さっき見たところ全ておんなじ部屋だったな・・・じゃあここにするか・・・
蓮が選んだのは入り口から一番近い部屋だ。
う~ん日当たりも良いし、いいじゃないか、しかし広い恐らく10人泊まる目的で作られたのであろう、かなり広い。しかし押入れにはキチンと布団がはいっていたのでよしとするか・・・
部屋は和室でたたみ張りだ。それ以上なくそれ以下でもない。本当に畳しかない。まあ無料だから贅沢なほうか・・・とりあえず前向きにかんがえてみる。
しかしあまりに質素だし花がなさすぎる。それにながいあいだ使われていないためか結構汚れている。畳にも埃がかぶっている。
「とりあえず掃除するか。」
蓮は外にでた。

更新日:2010-06-03 14:50:47

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook