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「蓮君ってやさしいんだね。」
静岡が恥ずかしそうに言う。
「―私ね、中学校まではずっと女子学校だったんだ、幼稚園の頃は男の子にいじめられたから女子小学校に入学したんだけど私ずっと男の子って怖いと思っていたんだ・・」
蓮は静岡の意外な一面を知った。男性恐怖症まではいたらなかったと思うけど俺と話すのはまだ抵抗があるのかな?
「そうだったんだ。俺、幼稚園行かなかったからよくわからないけどおそらくもう静岡さんをいじめる子もこの高校にはいないと思うし、それに君をいじめる奴はひどいやつだな。」
ちょっときざだったかな?でも俺は本当にそう思う。せっかく高校に入ったんだから恐怖感を抱いたまま3年間を過ごしてほしくない、という蓮の気持ちもあってだ。
「ありがとう、蓮君にあってから気持ちがすっきりしたよ。」
笑顔で答えてくれた。
よかったと蓮はおもった。
「―もう大丈夫だよ。私、せっかくこの高校にはいったんだから、楽しまなきゃね。」
「そうですよ、せっかくなんですから。それに俺もいつでも学校にいますし、何かあったら相談してくださいよ。解決できなくとも一人で悩みを抱えることはよくないですよ。
俺も静岡さんに会ってからなんか・・・その、学校に行くのが楽しみになりましたよ。」
俺だってできる限りのことはしてあげたい。別に俺に限らずとも他のやつに相談すればいいのだが、俺は生憎ほおって置けない主義でねぇ・・・
「蓮君・・・」
静岡が蓮の名前を言う。
「なにかなぁ?」
蓮が返事をする。
「蓮君って私のこときらい?」
げぇ!いきなりそうくるか・・・蓮は戸惑った。しかし蓮は正直に、
「嫌いなわけないじゃないかぁ。」(むしろ好きだぁ!)
にっこにこで言う。まさかそうくるかと思わなかったがここで嫌いだ!とか言う野郎がいるものか!
すると急に静岡の表情がかわった。
「うれしい!蓮君も私のこときらいじゃないの?」
満面の笑みを浮かべた。とろけるような笑顔は蓮の心を魅了する。
やべえ、もうだめかも・・・俺は気を失いそうだ。それにしても『蓮君も』って・・・・・・
「そうですよ。嫌いわけないじゃないかぁ。」
半分言葉になっていない。なんか静岡はすごく喜んでいる。よかった・・・
「―うんうん、こっちもうれしいなぁ・・」
頭がぐるぐる回ってなんか・・・とりあえず作り笑いを浮かべる。
「蓮~~~~」
「静岡さん!?」
静岡が抱きついてきた。
これは夢か?そうだよなぁ夢に違いない・・・こぉんな可愛い子が俺にだきついてくるわけないよなぁ。
蓮は夢の世界と現実の区別がつかなくなってきている。
「じゃあ私と蓮は友達成立だね。」
静岡が言う。友達成立でこんなくっつくか?というくらい蓮と静岡の顔は近い。
食堂も大騒ぎだ。蓮はこの空気だけはなんとかしたいと思った。
「―それに静岡さんなんて堅苦しいよぉ。私もこれから蓮と呼ぶから、私のこと蜜柑って呼んでね!」
蜜柑は喜びながらいう。蓮もうなずくしかない。
「分かりました。蜜柑さん・・・」
腕が首に巻きついているため、苦しそうに蓮が言う。もう蓮と蜜柑の頬はくっついてる。
「『さん』はいらないの、蜜柑でお願い。」
「わかりましたから、苦しいですよ・・・」
蜜柑の体からいい香りがする。蓮は気を失いそうだ。
「あ、ごめんね、蓮。」
さっと手を離す。深く深呼吸する蓮。
「はぁ~」
蓮は軽く肩を回す。
「大丈夫?蓮。」
心配そうな声をかける蜜柑。蓮は
「うん、大丈夫だよ。」
としか言うしかなかった。とりあえず今は冷静になるべきだ・・・
とりあえず息を落ち着かせる。
「あ、もう時間だよ。戻ろうよ蓮。」
蜜柑が蓮に声をかけた。蓮はすっと立ち上がり戻ろうとしたが・・・
「うわ!なんだぁ。」
そこには野郎共の嫉妬オーラで充満していた。すげえオーラだ・・・
ただただ感心するばかりだがターゲットはただ一人、俺だ、ここはひとまず逃げなけねば。
「蜜柑、走るぞ!」
「きゃあ!」
蓮は蜜柑の腕をつかみ一目散に食堂をあとにした。
静岡が恥ずかしそうに言う。
「―私ね、中学校まではずっと女子学校だったんだ、幼稚園の頃は男の子にいじめられたから女子小学校に入学したんだけど私ずっと男の子って怖いと思っていたんだ・・」
蓮は静岡の意外な一面を知った。男性恐怖症まではいたらなかったと思うけど俺と話すのはまだ抵抗があるのかな?
「そうだったんだ。俺、幼稚園行かなかったからよくわからないけどおそらくもう静岡さんをいじめる子もこの高校にはいないと思うし、それに君をいじめる奴はひどいやつだな。」
ちょっときざだったかな?でも俺は本当にそう思う。せっかく高校に入ったんだから恐怖感を抱いたまま3年間を過ごしてほしくない、という蓮の気持ちもあってだ。
「ありがとう、蓮君にあってから気持ちがすっきりしたよ。」
笑顔で答えてくれた。
よかったと蓮はおもった。
「―もう大丈夫だよ。私、せっかくこの高校にはいったんだから、楽しまなきゃね。」
「そうですよ、せっかくなんですから。それに俺もいつでも学校にいますし、何かあったら相談してくださいよ。解決できなくとも一人で悩みを抱えることはよくないですよ。
俺も静岡さんに会ってからなんか・・・その、学校に行くのが楽しみになりましたよ。」
俺だってできる限りのことはしてあげたい。別に俺に限らずとも他のやつに相談すればいいのだが、俺は生憎ほおって置けない主義でねぇ・・・
「蓮君・・・」
静岡が蓮の名前を言う。
「なにかなぁ?」
蓮が返事をする。
「蓮君って私のこときらい?」
げぇ!いきなりそうくるか・・・蓮は戸惑った。しかし蓮は正直に、
「嫌いなわけないじゃないかぁ。」(むしろ好きだぁ!)
にっこにこで言う。まさかそうくるかと思わなかったがここで嫌いだ!とか言う野郎がいるものか!
すると急に静岡の表情がかわった。
「うれしい!蓮君も私のこときらいじゃないの?」
満面の笑みを浮かべた。とろけるような笑顔は蓮の心を魅了する。
やべえ、もうだめかも・・・俺は気を失いそうだ。それにしても『蓮君も』って・・・・・・
「そうですよ。嫌いわけないじゃないかぁ。」
半分言葉になっていない。なんか静岡はすごく喜んでいる。よかった・・・
「―うんうん、こっちもうれしいなぁ・・」
頭がぐるぐる回ってなんか・・・とりあえず作り笑いを浮かべる。
「蓮~~~~」
「静岡さん!?」
静岡が抱きついてきた。
これは夢か?そうだよなぁ夢に違いない・・・こぉんな可愛い子が俺にだきついてくるわけないよなぁ。
蓮は夢の世界と現実の区別がつかなくなってきている。
「じゃあ私と蓮は友達成立だね。」
静岡が言う。友達成立でこんなくっつくか?というくらい蓮と静岡の顔は近い。
食堂も大騒ぎだ。蓮はこの空気だけはなんとかしたいと思った。
「―それに静岡さんなんて堅苦しいよぉ。私もこれから蓮と呼ぶから、私のこと蜜柑って呼んでね!」
蜜柑は喜びながらいう。蓮もうなずくしかない。
「分かりました。蜜柑さん・・・」
腕が首に巻きついているため、苦しそうに蓮が言う。もう蓮と蜜柑の頬はくっついてる。
「『さん』はいらないの、蜜柑でお願い。」
「わかりましたから、苦しいですよ・・・」
蜜柑の体からいい香りがする。蓮は気を失いそうだ。
「あ、ごめんね、蓮。」
さっと手を離す。深く深呼吸する蓮。
「はぁ~」
蓮は軽く肩を回す。
「大丈夫?蓮。」
心配そうな声をかける蜜柑。蓮は
「うん、大丈夫だよ。」
としか言うしかなかった。とりあえず今は冷静になるべきだ・・・
とりあえず息を落ち着かせる。
「あ、もう時間だよ。戻ろうよ蓮。」
蜜柑が蓮に声をかけた。蓮はすっと立ち上がり戻ろうとしたが・・・
「うわ!なんだぁ。」
そこには野郎共の嫉妬オーラで充満していた。すげえオーラだ・・・
ただただ感心するばかりだがターゲットはただ一人、俺だ、ここはひとまず逃げなけねば。
「蜜柑、走るぞ!」
「きゃあ!」
蓮は蜜柑の腕をつかみ一目散に食堂をあとにした。
更新日:2010-08-06 00:53:14