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かなり走ったであろう。
「やっとついた・・・」
1年95組と書いてある札を見つけた。もううれしくてうれしくてたまらない。全部この子のおかげだ・・・
そんなことを思いながらも期待と不安がよせる。
「どんなクラスかな・・・楽しみだなあ」
そんなことを言いながらも既に一番の楽しみを味わってしまったかもしれない。ああ罪深き俺。ここまでくるのにちゃっかり手をつないで来たし、もう学園生活で思い残すことがないかもしれない。
学園生活始まったばっかりなのにこんなことを思っている蓮に女の子が話しかけた。
「どうしたの?入ろうよ。」
「あ、ちょっと待って下さい。」
つい敬語になってしまったがこれもこの子への感謝の気持ちだ。蓮はネクタイをしめて身だしなみを確認した
(とりあえず第一印象が大切だな。遅刻しているから注目を浴びるはず・・・)
「ねえ、もういいかな?」
「ごめんね待たせて。でもいいよ入ろうぜ。」
女の子は扉にてをあてた。蓮にも緊張が走った。
どんなクラスかな?

ガラガラガラ・・・・・・・

扉が開き、中にいる生徒たちがこっちを一斉に見た。
ああ・・・やっぱり初日の笑いものにされるのかな・・・
「あの~」
女の子が前にでて来た
クラスは一気にざわめいた。
「誰だろあのこ?」
「むっちゃかわいくね?」
「やべえよあの子、かわいすぎるだろ・・・」
教室がざわざわしている。蓮もそれにはすぐに気づいた。こんな可愛いこに男子が反応しないはずがない。男子全員はその子に釘づけだ。
「ああ、やっと来たか。」
先生が言った。蓮は教室を見渡した。広い教室だ・・・かなりきれいで天井も高い。生徒数は・・・70人はいるかな?かなり多い。床はきれいな水色のタイルに敷かれていて開放感がある。
女子生徒もざわざわしている、なんか俺をみているし・・・やめてくれよ、俺とあの子はそんなかんけいじゃねえからよぉ
「とりあえず座ってくれ、いまからショートタイムを始めるところだからな。」
先生の指差したところにあいている席がある。おそらくあそこだ。
蓮は移動した。
「かわいーなあの子」
「名前なんていうんだろ」
男子の話が聞こえる。とりあえずなんとかなった。
蓮は着席をしショートタイムが始まった。

「これから君たちの担任をする大塚 茂だ、よろしく。担当は世界史。ちなみに将棋部の顧問です。」
大塚先生か・・・なんか渋いなー。大人って感じがする。
「とりあえず入学おめでとう。この学校は知っている通りきわめて広いので迷わないようにしましょう・・・」
なんかこの話はやけにグサっとくる。
「まあ、話を長くするのは面倒くさいんで、これにておしまい。」

朝のショートタイムが終わった。
男共はさっきの女の子のとこ行く。すごい人気だな人だかりができてる。
「とりあえずトイレでもいこうかな・・・話す相手はいないし。」
蓮は教室を出て行った。

トイレも済ませ蓮は廊下に考えこんでいた。
今日はいろいろとありすぎる。気持ちの整頓をしないとな。
とりあえずこの高校は俺とおんなじ中学の奴は一人もいない、つまりこっから性格をガラッとかえたり、いろんなことも抵抗できずにできるだろう・・・しかし俺はそんなつもりは一切ない。仮の姿を見せるには苦労するからな・・・
しかし・・・なにかやりたいなぁ、なにかを。せっかくこの高校に来たのだからなにかを始めたいなあ。
でも一番キツイのはやっぱり友達がいないことだ。これには悲しい。この学校は入学前ニアンケートをとる。そのなかに
『誰と同じクラスがいいですか』
なんてあった。これをもとにクラス編成をするから誰かはそのクラスに必ずといっていいほど中学校の友達がいるのだ。つまり俺だけであろうクラス全員が初対面なんて。
ああ、どうしようかなうまいこといけるかなーイヂメに会わないかな
なんて考えながら歩いていると廊下に人だかりができてる。
・・・・全員野郎だ・・・おそらくさっきの子だろう。すげえ人気だ。俺には関係ねえよっと・・・
チャイムがなり授業が始まる。
この高校は1時限40分の放課20分x4でお昼タイム1時間半で一日5時間授業である。
「こんなカリキュラムで大丈夫なのかな?」
時間割表を見ながら蓮はいった。するとあることに気づいた、英語がない。俺の最大の天敵のイングリッシュが!これはなんという幸運。サイコーだ、炎陽ばんざぁい!
ちなみに今日は初日にあるからしてほとんどが学級のじかんだ。こんなひがいつまでも続いてくれと思うばかりだ。
「今日は、初日ということでみんなの自己紹介でもしてもらおうかな・・・俺もまだみんなのこと知らないし、とりあえず名前と何か一言いってくれ・・・」

更新日:2010-05-29 19:33:09

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