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後日談 日曜日


兎にも角にも紫の生徒会長就任は決まったのだ。
今回、瀬戸秋水は、たんなる嫌がらせ程度しか出来ないまま終わったが、革命同好会の本領発揮は、これからなのだ、
だって、革命を起こすべき生徒会が発足したのだから。
本格的な戦争の始まりなのだ。
こんな巨大なマンモス校である。
数の上では、まだまだあちらが上なのだ。
同好会のくせに人数が多いというのも変な話なのだけれど。

どうせ、新たなタブーを作って、もっとやっかいな方法で僕や紫を困らせるのだろう。

とりあえず、紫には部活動をさせるべく、僕は旅行の準備をしていた。
旅行と言っても、日帰りしようと思えば出来るような近場の旅行である。
僕が顧問をしている部活の内容を、三橋ひよりに教えられたのだけれど、まぁ普通といえば普通っぽいが、あやしげな活動と言えばあやしい。
技研のような危険極まりない活動ではないが、PC研のような違法行為でもないけれど、僕は、読書している三橋ひよりの姿が印象に残っていたので、「読書部かな?」なんてお気軽に考えていたのだが、彼女の読んでいた本を見てから嫌な予感がしていたのだ。
だって、本のタイトルが『水底の歌』だったのだから。
そのほかにもケルト神話やゾロアスター教の本を見せられて、革新的にオカルト研究会だと思ったぐらいだ。
実際には、歴史を色々な観点から分析する資料だったのだけれど。まぁ、正式名称は「民族文化研究会」という真面目そうな名称なのだが、実際のところはオカルト研と変わりは無いのだ。

異端を異端としてではなく、異端たる理由を探るのだ。
オカルトを信奉するのではなく、ムー大陸の存在を否定し、根拠の無い超常現象を否定し、何が正しく何が可能性を秘めているかを分析するのだ。
こんな言い方だと見も蓋もないが、まぁ、神話に隠された当時の生活や信仰を検証したり、道徳観念やら何やらを勉強するのだ。
そんなこんなでオカルト研とは仲が良くないらしい。
ちなみに、瀬戸秋水の革命同好会は、オカルト研と仲が良い。
いや、オカルト研は、革命同好会の資金源とも言われているぐらいだ。

更新日:2010-08-23 16:05:29

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