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火曜日

挿絵 800*450

火曜日 強襲トイレ

僕は、英進科Aクラスの教室にいた。
Aクラスと言っても妹の紫しかいないクラスなのだけれど。
紫は、相変わらず、長い黒髪を三つ網に結って、優等生のような眼鏡っ娘だった。
読書をしている本は、最近お気に入りのラノベのようだけど、ん?何か書いているのか?
ノートに色々とメモ書きしているようだが、内容までは気にしなかった。
僕には講師としての用件があったのだ。この学園の講師としての仕事が。

「今日から生徒会長選抜期間に入るけど、紫は立候補するか?」
「うーん、あまり乗り気じゃ無いけど、ちょっと興味あるかな?」
「どうして?」
「何だか面白そうじゃない?生徒会長の腕章を土曜日の夕方まで所持し続けた者が生徒会長になれるって、何だか子供っぽくて楽しそうな気がするの」
「そうか、じゃぁコレを持ってろ」
「え?」

僕は、生徒会長の腕章を妹の机に放り投げた。
きょとんとした表情の妹は、眼鏡の位置を正しながら腕章を眺めていた。

「お兄ちゃん、これって本物だよね?」
「あぁ、本物だ。前生徒会長が参加しない事になったので預かって来た」
「何で私が?」
「別に良いんじゃないか?参加資格はクラス委員長もしくは副委員長って事になってるし、この英進科Aクラスには紫しかいないんだから、必然的に参加資格が廻ってくるのも不思議じゃないだろ?」
「そうじゃ無くて、私が持ってて問題無いのかだよ!お兄ちゃん」
「別に大丈夫だろ。だって、今から一斉に全校生徒には、この腕章の現在の持ち主は好評されるし、土曜日まで守り通してなけりゃ無意味なんだから」
「はぁ、そうなんだけど・・・お兄ちゃんはお気楽なんだから、もう」

妹は、溜息混じりに言ってから、腕章を袖に通し、僕が差し出したマイクに向かって宣言した。

「では、ここに宣言します!ただ今から英進科Aクラス神泉紫は、生徒会長選抜戦に参加
する事を宣言し、現在の生徒会長腕章を所持する事を報告します」

更新日:2010-05-28 22:11:00

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