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月曜日

挿絵 503*800

月曜日 

この東照学園の講師と言う、まぁ仮の姿の生活なんだけど、平穏に送ってこられたのも、妹のおかげかもしれない。
僕は、とある事件で無罪のような有罪判決を受けた。
懲役三百年、執行猶予二百年って、人間がそんなに生きてるわけ無いだろ?
つまりは、管理はされているけど、通常の一般生活を謳歌出来るのだ。
もっとも、一生扱き使われる運命って言い方も出来るけど。
兎も角、学園の講師と言う生活に僕は馴染んでいた。
そして、何時ものようにメンソールの煙草を取り出して一服しようとした時、長い黒髪を三つ網にした、石鹸の香りが体臭のような可愛い女子生徒に注意されたのだ。
メガネが似合う優等生らしい美少女、神泉紫に注意されたのだ。

「お兄ちゃん!教室で煙草なんか吸っちゃダメでしょ!教師として自覚を持ってもらわないと困るんだから」
「ここでは先生だろ?ちゃんと神泉先生って呼んで欲しいな」
「お兄ちゃんの事、神泉先生なんて呼ぶ生徒いないわよ!いつもブラブラ歩き回ってるか、保健室でお茶飲んでるんだから、揺ら揺らしてるから神泉由良って名前になったんじゃないかって言われてるぐらいなんだからね」
「そうかもしれないなぁ、そうか、だから生徒は由良先生って僕を呼ぶのか。親愛の呼び方じゃ無かったんだな」
「もう、呑気な事言ってないでよ」
「紫、この学園に不思議な生徒、いや、普通に見えるけど変な空気をまとった生徒いないか?」
「普通に見えるけど変?普通じゃ無いって事?」
「うーん、普通過ぎて普通じゃ無いって言うのが正しいかな?」
「まぁ、これだけ沢山の生徒がいるんだから、中にはいるかもしれないけど、皆普通の高校生だよ。どうしたの?」
「気になるんだよ、思春期の高校生の普通ってのは、何か特別な人間になりたいとか考えるもんだろ?何か秀でた力を持ちたいとか、秀でた人間になりたいってさ、ところが、この学園の生徒って、個性が無いって言うか、誰もが同じ人間みたいに見えるんだ」
「お兄ちゃん、それってジェネレーションギャップってやつじゃない?今時の若い人はって言う年寄りみたいな感覚」
「そうなのかもな。きっとそうなのかもしれないな」

更新日:2010-05-12 14:31:53

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