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みおくる


セレモニーホールから出て行くおっさんは、祭囃子で、送られました。
オッサンらしい。みんなの愛情が感じられました。
涙声で 『ヤッサー! ヤッサー!!』 と、掛け声が。

火葬場へ行って、最後のお参り。
『ちゃんと、自分のすることを、出来ることを、自分たちでしていくよ。心配しないで』
最後にわたしは、そうオッサンに語りかけた。

焼き場へ入れられていくおっさん。

わたしは 「またね」 と声をかけた。

そして、控え室で一時間半が経過。
酒は飲みません。泣いちゃいそうだから。

でも、昨日はわりと、冷静だったな……わたしたち。

すっかり骨になったオッサンの、お骨を拾う。

娘は呆然とした顔で、棺の中を見ていた。

「おっさんはねぇ、お月様になったんだよ」 私の母が、娘に言う。
「お昼はね、おひさまになって、みおのこと見てるよ」 私が言う。
「だって、オッサンの頭、光ってたでしょう?」 はげぱっぱ~。

娘はぼんやりとした顔をしたまま、わたしの母にしがみついていた。


───そして娘、いきなり39度の発熱。

病院へ連れて行きましたよ。その場で座薬投入。
風邪気味だったからな……と思っていたんだけど、

さっきネットで検索してみたら、

“精神的ショックで発熱することもある” というようなことが書いてあった。

……そうか。

あんたもショックだったんだよな。そりゃそうだ。
病院で、その場で座薬処方してもらいました。

そのあとは、元気でした。元気すぎるくらい。

妹も冷静でした。

オッサンの店に戻って、わたしと妹と母は、あたりめを食いまくっていた。
アルコールは、無しで。
食いまくったよ。あたりめ。ストーブであぶると、うまいんだ。
……精進……いいのか? とか言いながら。

……乾物だからいいんじゃないの?
じゃないと精進料理に、かつおだし使えないじゃん。
……いや、これ言ったの、わたしだけど。
適当だ。ええ、悲しんでいますよ? 泣いていますよ?
泣きながらあたりめ~。もうわけがわかりません。

そしてあのふたりは、帰宅後の深夜、カップパスタを食っていた……。
わたし? 寝てましたよ。娘と一緒に。
精進料理、むっちゃ食ってたやんか!?


……今日は、オッサンを偲びながら、酒でも飲みますか……。

一升瓶、かっぱらって来たしね。
……だあって、誰も飲まないんだもん。控え室に未開封で、放置されてた。
ビールはがんがん開いていくのにさ。

あ、なんか知んないけど、骨になってしまったオッサンを見たら、
あきらめがついたんだか、なんなんだか、本当に落ち着いてしまいました。わたしたち。

遺影のオッサンは、笑っているもの。

あ、この辺の文章は、あとで他へもっていきます。別エッセイにしようかな……。

気を使わないでくださいね。だけど、励ましもなぐさめもいりません。
フツーに接してくだされば、ありがたいです。

娘はきょうも、元気です。寝起きにぐずったけど、投げキスまでして、保育所へ。
わたしも今日は、ぜんぜん泣いていません。

さて、昼だな。酒だ酒だ~。
おっさ~ん! おりゃあ今日もこんなやて~。わろといてくだい。


更新日:2010-04-27 12:01:58

更新日:2010-04-28 13:30:36

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