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10年前と、私は違う!!


……すみませんね。暗い話をおいていっちゃいまして。


“ご冥福をお祈りします” とか感想につけられたら、いや、つけていただいたりしてしまったら、
わたしはもう、立ち直れなかったでしょう。

ブチギレて。

あの後……ああ、昨日なんですよね。すでに遠い昔に思える。
ここに書き殴ったあと、私は娘を連れて私を迎えに来る夫を待つ間、

涙だらだら流しながら、怒り狂っていました。
ティッシュペーパー大量消費。エコじゃないね。

病院に対して怒る。
どうして入院させたんだよ!!
今日、帰って来て、そんで、俺らみんなで診て行くって話じゃなかったのかよ!!

オッサンに怒る。
……おかんを幸せにするって言うたやんか!!
娘の子供も見るって言うたやんか!!
私たちと一緒に、いつかもう一度、店をはじめるって言うたやんか!!
うそつき!!

親父の遺影に向かって怒る。
おっさんが来たら、まだ来んなっつって、けっ転がしてでもぶん殴ってでも、
こっちにつっ返してくれって。
どいういうことなが!?

まわり近所のことなんか考えていません。
泣きながら怒鳴ってました。どうせ、周りにひとはいない。

昨日、そうやって怒りくるった後、顔を洗って、夫と娘と一緒に、オッサンのこと、見にいった。

そっと布をまくって、顔を見た。


……顔、黄色いね。
真っ黒だったのに。モアイみたいだったのにさ。
……ああ、死化粧か……。

なに寝てんだよ……なんでだよ……。
起きろよ……。

起きるわけないか。


そんなこと、思っても言えるわけがない。

おっさんの親族たちがいる前で、泣きながら笑いころげる私。
私は泣きながら笑っていましたよ。不謹慎な。
あんまり悲しいと、神経おかしくなるんですね。

明日はお通夜、明後日お葬式。

意外と大丈夫な自分に、驚いています。
私たちは、オッサンの家族じゃない。

私たちはオッサンの寝ている、家のほうには、あまり入らず、
店だったところに、ほとんどいた。
わたしたちとオッサンは、いつだって、そこにいたから。

還暦祝いをしたときのまま、飾り付けた折り紙の鎖と、
パチンコ好きなオッサンのために壁に貼り付けた “777” と、赤い紙を切り抜いたもの、
その直後にやった、オッサンからの母への誕生日メッセージが飾られた、
うかれとんちきな部屋に、わたしたちは、いた。

オッサン……潔すぎじゃねえか?
俺らに迷惑かけたくなかったの? あんたがいないほうが、迷惑なんだよ!!
病院で着替えや退院の準備が終わったところで、いきなりの血圧低下って。
俺らはみんなでみていくって、決めてたんだよ?

……カッコつけてんじゃねえよ……。

俺の葬式には、祭りの山車を出せというておったな。
すまんが無理だ。だから息子さん、太鼓と笛持ってきたよ。

私たちは、家族じゃない。
でもそんなのは関係ない。おっさんがいて、うちらは楽しかったよ。
オッサンも、そうだよな……?
うちの男手、夫しかいなくなるから、あいつにはもっと、しっかりしてもらうよ。

私ももっと、強くなるよ。
安心して、眠っててな。

お父さんを失ったときと、私は違う。
もう10年経ってんだよ。
だけどよ……早すぎだろうがよ……。

おもしろいやつだったな。オッサン。
私のドカタ弁が、いちばんわかりやすいって言ってたな。
わたしにハゲ頭をぺちこんと叩かれるのが好きで、
自分から頭出してきたな。

シモネタだいすきで、自分からふって来たくせに、
私たちがそれを、どんどんきわどくしていくのを、ひいひい言いながら、
ころげまわって笑っとったな。

全部が、思い出だよ。

もっと、つくられていくはずだったじゃねえか……。

ちくしょう……。


ああ、またちくしょうで〆。

妹も、10年前とは違いました。すごく冷静だった。
反動が、怖い気がする……。

2010-04-24 20:48:52

更新日:2010-04-28 13:26:01

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