• 2 / 34 ページ

母と宅配便

 私は今から少し前、四年間と半年ほど地元北海道を離れ、よその土地で暮していたことがある。北海道に比べると比較的暖かいが、それでも雪が降る地域で、雪を溶かすために道路から噴水のように水が出ており、ビックリしたのも今では懐かしい。
 娘の一人暮らしを心配して、母は何かと仕送りしてくれた。学生でもなければ、若くもないので一応断るのだが、何かの折に又送ってくる。
 ありがたいことである。
 持つべきものは、やはり親だ!
 しかし、問題がひとつある。当時の私の仕事はシフト制で、いつが休日かはその日が近くならないとわからなかった。親の年代というのは、宅配便には詳しくないので、いつも荷物を送った後に電話をくれる。生ものは痛むこともあるし、だいたい仕事で家に居ない時に宅配便に来られても、不在通知を見て電話をしなければならないので二度手間だ。
「送る前に電話くれたら、休みの日に合わせて送れるから、生ものも痛まないからね」
 このセリフを何度繰り返したことか! 何度か繰り返し、ほぼ会社を辞める頃になって、ようやく母がその仕組みを理解してくれたのか、荷物を送る前に電話をくれた。
 私は、「○月○日が休みだからね!」と母に話し、当然その日に来るものだと思い込んでいたのだが、その前に不在通知が届いた。夜勤で眠たい目をこすり、宅配便に電話して、札幌の銘菓であるロイズのチョコレートを再配達してもらい、すぐ母に電話した。
「○月○日だって、いったよね?」
 すると母は、
「お父さんがね、生ものだから、悪くなったら大変だからすぐ送ってもらえ! っていうもんだから」といった。
 ジェネレーションギャップの前に、説明は不条理である。


更新日:2010-04-20 23:24:50

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook