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小説

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幼年時代

(1)

 今からワシという人間の全然ぱっとしない人生を長々と書いていくわけだが、読んでくれる人を本当に楽しませることができるかどうかは正直自信がない。だが殊更知恵をひねったり、言葉を飾ったりしたところでそれほど効果があるとは思えないし、またワシのスタイルとしてはとにかく自然体でいたいというのが本来であるから、肩の力を抜いて(普段から力を入れることはめったにないが)、書いていこうと思う。暇な時にでも流し読みして貰えれば幸いというところ。書く方も気楽。読む方も気楽。

 ワシが生まれたのは1968年、昭和43年、申年。もう今となっては結構昔。一体この年はどんな年だったのだろうか?ちょいと調べてみた。
 
 まず1月。ポーランドでプラハの春が始まっている。学校で習ったはずだがワシの生まれた年のことだったとは知らなかった。そして円谷幸吉の自殺。あの「父上様、母上様、 幸吉はもうすっかり疲れ切って走れません。・・・・・・幸吉は父母上様のそばで暮しとうございました。」という涙なしには読めない名文の遺書を残し、カミソリで頚動脈を切って自殺したのが9日。他には東大闘争の始まりくらいか。
 2月。グルノーブルオリンピック開幕。暴力団員2名を殺害した金嬉老が人質をとって寸又峡温泉の旅館に立て籠もったのが21日。
 3月飛ばして4月。マーティン・ルーサー・キングの暗殺。日本初の超高層ビル、霞が関ビルが完成。
 5月。十勝沖地震。6月。ロバート・F・ケネディの暗殺。7月、8月、9月はぱっとしない。
 10月。メキシコオリンピック。川端康成がノーベル文学賞受賞。康成という名前の同級生がいたが、おそらくあやかったんだろう。ほとんど効果はなかったようだが。
 11月飛ばして12月。あの有名な未解決事件である三億円事件発生。これは犯罪とはいえ実に見事な手際でちょっと感心してしまう。一人も怪我人を出してないし、盗まれたお金は保険がおりて誰も損はしていない。まるでルパンの手際だな。

 スポーツの世界では巨人がV9中のV4の頃。相撲は大鵬。後は玉子焼きか。グルノーブルオリンピックではメダル0。メキシコオリンピックでは金11、銀7、銅7。なんとサッカーが銅メダルをとっている。日本のサッカーってこの頃すごかったんだな。

 音楽ではフォーク・クルセイダーズの「帰ってきたヨッパライ」。あの「オラは死んじまったどー」ってやつ。千昌夫の「星影のワルツ」、ピンキーとキラーズの「恋の季節」、青江美奈の「伊勢佐木町ブルース」、都はるみの「好きになった人」。しぶいねぇ。

 映画では「2001年宇宙の旅」。なんとこんなに古い映画だったとは。それであれだけ未来予測できてるんだから、やっぱりアーサー・C・クラークはすごいな。他にはチャールトン・ヘストンの「猿の惑星」。初めて見た時は感動したなぁ。ダスティン・ホフマンの「卒業」、オリビア・ハッセーの「ロミオとジュリエット」、ウォーレン・ビーティーの「俺たちに明日はない」、スティーブ・マックインの「ブリット」。いい映画ばっかりだ。

 文学では芥川賞が大庭みな子の「三匹の蟹」。直木賞が陳舜臣の「青玉獅子香炉」、早乙女貢の「僑人の檻」。司馬遼太郎の「竜馬がゆく」がベストセラーになっている。

 テレビではNHK大河ドラマが「竜馬がゆく」。ちょうど今と同じように竜馬ブームだったんだろう。他には「キイハンター」か。「3時のあなた」と「夜のヒットスタジオ」が放送開始。「てなもんや三度笠」が放送終了。そう言えば藤田まことさん亡くなったっけなぁ。「必殺仕事人」どうなるんやろ?アニメの世界は「ゲゲゲの鬼太郎」、「巨人の星」、「サイボーグ009」、「怪物くん」、「妖怪人間ベム」。コメディではコント55号。漫画雑誌では「少年ジャンプ」創刊。「ビッグコミック」で「ゴルゴ13」連載開始。
 
 ヒット商品では「ボンカレー」。日本初のレトルト食品。この頃から日本の食生活は不健康になっていったんだな多分。「ヤクルト」、「フエルアルバム」、「バッティングゲーム」。これ家にあったな。ファックスが初めて登場している。当時なんと1台79万円!今安いものなら7900円もあれば買えるんじゃないだろうか?

流行語は「いざなぎ景気」、「五月病」、「わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい」。これ結構長いこと使ってたんだろうな。懐かしいフレーズだ。
 
 1968年、昭和43年、申年。そんな時代に生まれたワシなのだ。

更新日:2010-04-28 19:40:24