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第8話 武の作戦
「へ〜、流香はアニマルズの1人だったんだ〜」
寝る前に、自分達の部屋で充は武に今日の出来事を全て話した。
「問題は流香を追ってきた狩人だ。あいつをどうかしなければ、流香は安心して生活出来ない…。どうやってこらしめよう…」
充は考え込む。
すると武が意外な言葉を口にした。
「充…、オイラ達はアニマルズなんだよ?」
武の言っている意味が分からなかった。
「それがどうしたんだよ…」
「アニマルズだったら、アニマルズなりにこらしめてやろうぜ?その狩人、毎日山に行くんだろ?」
「…なんか作戦があるのか?」
充は尋ねる。
おそらくアニマルズの能力を利用するのだろう。
「作戦は明日の放課後説明するから。それまで待っててくれよ」
「…そのお前がひらめいた作戦、うまくいくのか?」
「ああ、多分うまくいくよ。だから明日まで楽しみにしてな。じゃあおやすみ〜」
武はそう言うと、ベッドに入り寝てしまう。
「…俺も寝るか…」
充も自分のベッドに入る。
作戦は成功するのか少々不安だが、今は武を信じるしかない。
放課後、3人は学校の屋上にいた。
本当は学校の規則で屋上に行くことは禁止されているが、鍵が開いているから屋上に行くことは可能だ。
しかも屋上に行ったことがばれると反省文を書かされるのと、生徒達はあまり屋上に興味が無い奴が多いため、隠れて屋上に行く奴は誰もいない。
つまり自分達は自由に会話が出来る休憩場所のようだ。
「武、そろそろ教えてくれないか?放課後だし、もう全員揃っているし、他に誰もいない。早く教えてくれ…」
「そうだよ、武君。私も気になるから」
さっきまで背中を向けて外の風景を眺めていた武は、2人の言葉を聞いて振り返った。
「良いでしょう、では説明しましょう!」
武は2人に自分が思いついた作戦を説明した。
「…それって、うまくいくのか?」
「私も…ちょっと不安…」
「そんなことはやってみなくちゃ分からない!とにかくやってみようよ!」
武は2人に説得する。
「だが、仮に成功したとしても…その作戦、局長との約束を破ることになるんじゃないか?」
「大丈夫だって〜!とにかく、他に作戦はないんだからさ〜、やるしかないんだよ!」
「そうだけど…」
確かに武が思いついた作戦の他に良い作戦はない。
だとすると、この作戦をするしか選択肢はない。
「私…やってみる…!」
突然、流香が決心するように言った。
「じゃあ多数決で決まりだな!」
「流香…、良いのか?」
「うん、だって武君の言う通り、他に作戦はないんだし、それにこの作戦以上にうまくいく作戦はないと思うんだ。だからやるわ」
「ほら、本人がこう言ってる訳だし。じゃあ本番は夜の8時だ!それまで解散!」
武はそう言うと、屋上を後にする。
残されたのは充と流香の2人。
「…うまくいくと良いな?」
「うん、だから充君も頑張ってね。私の今後の生活がかかっているんだから」
「ああ、そうするよ…」
そして2人は屋上を後にした。
夜8時。
狩人は山の中にいた。
「ハヤブサめ…。今度こそ見つけてやるぞ」
狩人はライフル銃を握り締めながら呟き、周りを見渡す。
「…いたぞ!」
狩人はハヤブサを見つけ、銃を構える。
そして引き金を引こうとした瞬間、声が響き渡った。
「ちょっと待て、そこの狩人さん!あなたは今何をしようとした!?」
「な…何だ!?」
突然の声に狩人は周りを見渡す。
良く見ると左右にクマとオオカミがいた。
「あなたの狩りのせいでどれだけの動物達が犠牲になったことか…!あなたは自然を敵に回している!自然を敵に回したらどうなることか思い知らせてやろう!」
その声に3匹の動物は狩人に向けて歩き始める。
「…ヒッ…、く…来るな…、ぎゃあああああ!」
狩人は銃を捨てて、そのまま逃げるように走り去っていった。
「やった!」
動物達は人間の姿へと変わっていく。
武の作戦は成功したようだ。
「これで狩人も襲っては来ないよ。自然の力は恐ろしいことを教えてやったからね!」
「2人とも、ありがとう」
流香は2人に頭を下げる。
「良いよ、頭下げなくても…。それにしても、こんなにうまくいくとはな…」
「ああ、オイラも予想外!あの後3匹一斉に襲い掛かる予定だったんだけどね!そして…」
武は充の肩に手をかけ、囁き始めた。
「彼女に何か言う事はないのかい?今がチャンスだよ?」
「お前…!」
「ハッハッハ!」
武は笑いながら充から逃げる。
「2人って本当に仲が良いんだね」
流香が2人を見て笑顔で言う。
どうやら武の言葉は聞こえていなかったようだ。
「まあね!オイラ達ずっと一緒だったからね!でもこれからは3人だ!」
「3人?」
「ああ、流香も今度からは俺達の仲間だ!」
「…2人共…ありがとう」
「じゃあそろそろ帰ろうぜ?」
3人は自宅へ帰っていった。
寝る前に、自分達の部屋で充は武に今日の出来事を全て話した。
「問題は流香を追ってきた狩人だ。あいつをどうかしなければ、流香は安心して生活出来ない…。どうやってこらしめよう…」
充は考え込む。
すると武が意外な言葉を口にした。
「充…、オイラ達はアニマルズなんだよ?」
武の言っている意味が分からなかった。
「それがどうしたんだよ…」
「アニマルズだったら、アニマルズなりにこらしめてやろうぜ?その狩人、毎日山に行くんだろ?」
「…なんか作戦があるのか?」
充は尋ねる。
おそらくアニマルズの能力を利用するのだろう。
「作戦は明日の放課後説明するから。それまで待っててくれよ」
「…そのお前がひらめいた作戦、うまくいくのか?」
「ああ、多分うまくいくよ。だから明日まで楽しみにしてな。じゃあおやすみ〜」
武はそう言うと、ベッドに入り寝てしまう。
「…俺も寝るか…」
充も自分のベッドに入る。
作戦は成功するのか少々不安だが、今は武を信じるしかない。
放課後、3人は学校の屋上にいた。
本当は学校の規則で屋上に行くことは禁止されているが、鍵が開いているから屋上に行くことは可能だ。
しかも屋上に行ったことがばれると反省文を書かされるのと、生徒達はあまり屋上に興味が無い奴が多いため、隠れて屋上に行く奴は誰もいない。
つまり自分達は自由に会話が出来る休憩場所のようだ。
「武、そろそろ教えてくれないか?放課後だし、もう全員揃っているし、他に誰もいない。早く教えてくれ…」
「そうだよ、武君。私も気になるから」
さっきまで背中を向けて外の風景を眺めていた武は、2人の言葉を聞いて振り返った。
「良いでしょう、では説明しましょう!」
武は2人に自分が思いついた作戦を説明した。
「…それって、うまくいくのか?」
「私も…ちょっと不安…」
「そんなことはやってみなくちゃ分からない!とにかくやってみようよ!」
武は2人に説得する。
「だが、仮に成功したとしても…その作戦、局長との約束を破ることになるんじゃないか?」
「大丈夫だって〜!とにかく、他に作戦はないんだからさ〜、やるしかないんだよ!」
「そうだけど…」
確かに武が思いついた作戦の他に良い作戦はない。
だとすると、この作戦をするしか選択肢はない。
「私…やってみる…!」
突然、流香が決心するように言った。
「じゃあ多数決で決まりだな!」
「流香…、良いのか?」
「うん、だって武君の言う通り、他に作戦はないんだし、それにこの作戦以上にうまくいく作戦はないと思うんだ。だからやるわ」
「ほら、本人がこう言ってる訳だし。じゃあ本番は夜の8時だ!それまで解散!」
武はそう言うと、屋上を後にする。
残されたのは充と流香の2人。
「…うまくいくと良いな?」
「うん、だから充君も頑張ってね。私の今後の生活がかかっているんだから」
「ああ、そうするよ…」
そして2人は屋上を後にした。
夜8時。
狩人は山の中にいた。
「ハヤブサめ…。今度こそ見つけてやるぞ」
狩人はライフル銃を握り締めながら呟き、周りを見渡す。
「…いたぞ!」
狩人はハヤブサを見つけ、銃を構える。
そして引き金を引こうとした瞬間、声が響き渡った。
「ちょっと待て、そこの狩人さん!あなたは今何をしようとした!?」
「な…何だ!?」
突然の声に狩人は周りを見渡す。
良く見ると左右にクマとオオカミがいた。
「あなたの狩りのせいでどれだけの動物達が犠牲になったことか…!あなたは自然を敵に回している!自然を敵に回したらどうなることか思い知らせてやろう!」
その声に3匹の動物は狩人に向けて歩き始める。
「…ヒッ…、く…来るな…、ぎゃあああああ!」
狩人は銃を捨てて、そのまま逃げるように走り去っていった。
「やった!」
動物達は人間の姿へと変わっていく。
武の作戦は成功したようだ。
「これで狩人も襲っては来ないよ。自然の力は恐ろしいことを教えてやったからね!」
「2人とも、ありがとう」
流香は2人に頭を下げる。
「良いよ、頭下げなくても…。それにしても、こんなにうまくいくとはな…」
「ああ、オイラも予想外!あの後3匹一斉に襲い掛かる予定だったんだけどね!そして…」
武は充の肩に手をかけ、囁き始めた。
「彼女に何か言う事はないのかい?今がチャンスだよ?」
「お前…!」
「ハッハッハ!」
武は笑いながら充から逃げる。
「2人って本当に仲が良いんだね」
流香が2人を見て笑顔で言う。
どうやら武の言葉は聞こえていなかったようだ。
「まあね!オイラ達ずっと一緒だったからね!でもこれからは3人だ!」
「3人?」
「ああ、流香も今度からは俺達の仲間だ!」
「…2人共…ありがとう」
「じゃあそろそろ帰ろうぜ?」
3人は自宅へ帰っていった。
更新日:2010-11-13 14:52:25