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第9話 明日から夏休み
充と武は2人で登校していた。
「やっぱカバンが軽いって良いね」
武は言う。
普段は授業道具などでカバンは重たいが、今回は軽い。
何故なら今日は授業がないからだ。
そう、明日から夏休みが始まる。
「でも、下校する時は重くなってると思うぜ。宿題の重さでな…」
「うっ…!それは言わないでくれ…」
「たとえ俺が言おうが言うまいが、宿題が出ることには変わりはない。さっさと行こうぜ?」
充はそう言うと、歩き始める。
「あ!待ってくれよ~!」
武は急ぎ足で充の後を追った。
2人は早めに登校したつもりだったが、どうやら流香の方が早かったようだ。
流香が2人より先に教室にいた。
「あ、充君に武君、おはよう」
「ああ、おはよう…ん?」
良く見ると、流香の右手には手紙が握られていた。
「その手紙…なんだ?」
「ああこれ?まだ中身見てないから私にもよく分からないんだ~」
「おい、充…」
突然武が小声で充に話しかける。
「何だよ…」
「ちょっとこっち」
武は充の右手を掴み、そのまま連れて行く。
「お、おい…何だよ…!?」
「良いから…!」
武と充は教室を後にする。
その様子を不思議そうに流香は見つめていた。
2人はトイレで話し合う。
「なんだよ、いきなり…」
「ライバルに先こされたな…」
「またその話かよ…」
充は呆れる。
武の言葉で何故トイレに連れ出したか今分かった。
「またその話って…、良いのか?オイラの予想から察するに、あれはラブレターだぞ?」
「今時ラブレターかよ…。そもそもラブレターだからって何だよ…。俺には関係のないことだ」
「彼女奪われて良いのか~?」
「武…、今この場に誰もいないからお前の首を引き裂こうと思えばいつだって引き裂けることを忘れるな…」
充はそう言うと、トイレを後にする。
「…無理しちゃって~…」
武は充の背中を見て小声で呟いた。
正直、充本人は流香の彼氏になりたいのかと言われれば確かになりたいが、なれないならなれないでそれで良いと思っている。
それでも流香が幸せになっているのならなおさらだ。
充は廊下を渡り、教室に入る。
最初に入った時は生徒が少ししかいなかったが、もうほとんどが来ていた。
充は自分の席に座る。
「さっき武君と何してたの?」
隣から流香が尋ねてきた。
「いや…何も…」
充が答えた後、突然チャイムが鳴り始め、鳴り終わるのと同時に先生が入ってきた。
「じゃあ9時から終業式が始まるから、全員椅子を持って廊下で並びなさい」
先生の言葉に生徒達は椅子を持って並び始める。
そして全員が並び終えた後、体育館を目指した。
終業式が終わり、生徒達は全員教室へ戻る。
やっぱり校長先生の話は…長かった。
だがこの後も担任の先生の長い話が始まる。
「良いか?これから夏休みが始まる訳だが、学校のルールも忘れるなよ?特に入学式の日に話したが、特に飲酒、喫煙、深夜徘徊は禁止というルールは変わっていないからな。深夜になると先生が見回りに動くから見つけた生徒は停学処分とするからな。そもそも夏休みというのは…」
その後、先生の話は数十分続いた。
「(長い…もしかしてウィキペディア読んだのか…?)」
「では、これから宿題を配ろうと思う。忘れた生徒は点数引くからな」
「え~!?」
先生の言葉に生徒達の声が響き渡る。
「え~じゃない!絶対に夏休み中に終らせるんだぞ!」
先生はそう言うと、宿題のプリントを配る。
ぱっと見た感じ、そんなに多そうではなかった。
これなら1週間もしない内に終わりそうだ。
「では、今日はこれで終了だ。完全下校だから速やかに帰りなさい」
先生はそう言うと、教室を出た。
先生が出た途端、教室内がざわめき始めた。
「良かった~。思ってたよりも宿題少なかったね」
流香がカバンを持って充に言う。
「そうだな。前回は酷かったからな~…、じゃあ完全下校だから俺帰るわ」
「分かった。じゃあね~」
「おう、じゃあな」
流香が手を振り、充も手を振り返す。
そして教室を出た後、武と会う。
「よう、一緒に帰ろうぜ~?」
「……」
充は武の言葉を無視し、そのまま素通りした。
「おい、何だよ~。まだ怒ってるのかよ~?悪かったって、もう何も言わないから」
武の言葉を聞いて、充は足を止める。
「帰るぞ…」
「ああ!」
2人は一緒に下校した。
一方、国際空港。
そこに1人の少年が到着口から現れた。
帽子を深く被っているため、誰かは分からない。
「久しぶりだな…何年ぶりの母国だろう…」
男は呟く。
そして彼は歩き始めた。
「やっぱカバンが軽いって良いね」
武は言う。
普段は授業道具などでカバンは重たいが、今回は軽い。
何故なら今日は授業がないからだ。
そう、明日から夏休みが始まる。
「でも、下校する時は重くなってると思うぜ。宿題の重さでな…」
「うっ…!それは言わないでくれ…」
「たとえ俺が言おうが言うまいが、宿題が出ることには変わりはない。さっさと行こうぜ?」
充はそう言うと、歩き始める。
「あ!待ってくれよ~!」
武は急ぎ足で充の後を追った。
2人は早めに登校したつもりだったが、どうやら流香の方が早かったようだ。
流香が2人より先に教室にいた。
「あ、充君に武君、おはよう」
「ああ、おはよう…ん?」
良く見ると、流香の右手には手紙が握られていた。
「その手紙…なんだ?」
「ああこれ?まだ中身見てないから私にもよく分からないんだ~」
「おい、充…」
突然武が小声で充に話しかける。
「何だよ…」
「ちょっとこっち」
武は充の右手を掴み、そのまま連れて行く。
「お、おい…何だよ…!?」
「良いから…!」
武と充は教室を後にする。
その様子を不思議そうに流香は見つめていた。
2人はトイレで話し合う。
「なんだよ、いきなり…」
「ライバルに先こされたな…」
「またその話かよ…」
充は呆れる。
武の言葉で何故トイレに連れ出したか今分かった。
「またその話って…、良いのか?オイラの予想から察するに、あれはラブレターだぞ?」
「今時ラブレターかよ…。そもそもラブレターだからって何だよ…。俺には関係のないことだ」
「彼女奪われて良いのか~?」
「武…、今この場に誰もいないからお前の首を引き裂こうと思えばいつだって引き裂けることを忘れるな…」
充はそう言うと、トイレを後にする。
「…無理しちゃって~…」
武は充の背中を見て小声で呟いた。
正直、充本人は流香の彼氏になりたいのかと言われれば確かになりたいが、なれないならなれないでそれで良いと思っている。
それでも流香が幸せになっているのならなおさらだ。
充は廊下を渡り、教室に入る。
最初に入った時は生徒が少ししかいなかったが、もうほとんどが来ていた。
充は自分の席に座る。
「さっき武君と何してたの?」
隣から流香が尋ねてきた。
「いや…何も…」
充が答えた後、突然チャイムが鳴り始め、鳴り終わるのと同時に先生が入ってきた。
「じゃあ9時から終業式が始まるから、全員椅子を持って廊下で並びなさい」
先生の言葉に生徒達は椅子を持って並び始める。
そして全員が並び終えた後、体育館を目指した。
終業式が終わり、生徒達は全員教室へ戻る。
やっぱり校長先生の話は…長かった。
だがこの後も担任の先生の長い話が始まる。
「良いか?これから夏休みが始まる訳だが、学校のルールも忘れるなよ?特に入学式の日に話したが、特に飲酒、喫煙、深夜徘徊は禁止というルールは変わっていないからな。深夜になると先生が見回りに動くから見つけた生徒は停学処分とするからな。そもそも夏休みというのは…」
その後、先生の話は数十分続いた。
「(長い…もしかしてウィキペディア読んだのか…?)」
「では、これから宿題を配ろうと思う。忘れた生徒は点数引くからな」
「え~!?」
先生の言葉に生徒達の声が響き渡る。
「え~じゃない!絶対に夏休み中に終らせるんだぞ!」
先生はそう言うと、宿題のプリントを配る。
ぱっと見た感じ、そんなに多そうではなかった。
これなら1週間もしない内に終わりそうだ。
「では、今日はこれで終了だ。完全下校だから速やかに帰りなさい」
先生はそう言うと、教室を出た。
先生が出た途端、教室内がざわめき始めた。
「良かった~。思ってたよりも宿題少なかったね」
流香がカバンを持って充に言う。
「そうだな。前回は酷かったからな~…、じゃあ完全下校だから俺帰るわ」
「分かった。じゃあね~」
「おう、じゃあな」
流香が手を振り、充も手を振り返す。
そして教室を出た後、武と会う。
「よう、一緒に帰ろうぜ~?」
「……」
充は武の言葉を無視し、そのまま素通りした。
「おい、何だよ~。まだ怒ってるのかよ~?悪かったって、もう何も言わないから」
武の言葉を聞いて、充は足を止める。
「帰るぞ…」
「ああ!」
2人は一緒に下校した。
一方、国際空港。
そこに1人の少年が到着口から現れた。
帽子を深く被っているため、誰かは分からない。
「久しぶりだな…何年ぶりの母国だろう…」
男は呟く。
そして彼は歩き始めた。
更新日:2010-11-13 14:52:54