• 98 / 148 ページ

うちの7姉妹

 4月12日、俺がこの七ツ矢家に来て2週間近く経とうとしていた。
ここに来てから1週間。姉妹達と仲良くなるために居酒屋に行ったり、コンクリートに頭をたたきつけられたり、勘違いを受けて殴られたり、クラスメイトから変な視線で見られたり、宗教問題に絡んだり、恩人を蹴り飛ばしたり、よその学校の先生と揉めたり…。
とにかく様々な困難もあったが、俺はようやく7姉妹から七ツ矢家の一員として迎え入れられた。

 しかし、ここで問題が一つある。俺は今まで必死だった、家族として見て貰うために必死だった。
だがいざ家族となるとその必死さは消える、つまり普通の生活が始まる。普通の生活が始まるという事はお互い慣れていない異性との共同生活が始まるという事だ。
それに対して、俺は1週間経った時点で突然そういうドキドキが現れた。あれ?よく考えたら女の子達と同じ洗濯機で服を洗ってる?一緒じゃないけど同じ浴槽に浸かってる?同じ屋根の下で毎日暮らしている?
家族、姉妹と認識したはずなのに本来初日に来るはずの異性としての意識が今更芽生えた。
それも少し違った方面の……。

 いかんいかん、義理とは言え姉や妹をそんな目で見てはだめだ!いくら血が繋っていないとは言え……繋がってない…繋…。


 ………漫画とかだったら、ドキドキハーレム生活の始まりなのかな。

 
「零音~、ご飯よ~?」
快晴の朝7時、姉さんの呼ぶ声。着替えた俺が扉をあけると目の前にはエプロンをしたままの眞衣姉さんの姿があった。
「おはよう、零音」
ニコッと笑って俺に挨拶をしてくる、前までこの笑顔に平気で応えられたのに今となっては眩しくて優しくて直視すらできなくなってしまった。
「お、おはよう…」
俺は目線を少し右下にずらして返した。チラッと姉さんの様子を伺うも、特に表情は変わってない、何も変に思われてないようだ。
長女、七ツ矢眞衣。俺がこの家に初めて来て俺が最初に話した人。見た目通りとっても優しくてお母さん的な人。姉妹同様、俺まで甘えてしまうほどのオーラを持ってるのは言うまでもない。
ただ酒に弱く、飲むと180度人格が変わり意味不明な単語を暴発する人になってしまう。

更新日:2010-07-10 21:57:42

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook