• 85 / 148 ページ

彼女のメロディ

 4月7日。ついに最後の攻略相手へとたどり着いた。
相手はそう、俺と全く接点のなく情報も少なく頭のきれる末っ子の芽呂。
これまでの事で、芽呂は多雪さんより物事に興味を示さず、祈織より理解が早いという事が分かった。
今日は眞衣姉さんは仕事が午後から、虎子姉さんは大学の春休み、俺達が通う学校は休校日、芽呂もギリギリ春休み。
そんな最高の日に俺には最高の味方が6人もいる。最大戦力で今、最強芽呂に立ち向かう!!

「一人で何やってんだ?」
と、いきなり芽呂のきつい突っ込みが入る。なぜ入ってくるかというと、俺は思っていた事をそのまま動きに出していたからだ。
独り言を言いながら動き回るのも変だが、何も喋らずただ表情が変わりながら激しい動きを見せるのは自分でも言うのもなんだが変人だ。
しかも芽呂はタメ口(やや上から目線)で話してくる。
「いや、なんでもないんだ……」
俺がそう返すと芽呂は何も言わず立ち去った。だがここで挫けてはいけない。
なんたって俺は、猛烈に反発していた虎子姉さん、全く興味を持ってもらわなかった多雪姉さん、一度は最低の人間とまで思われた祈織、空気を読めない明澄を攻略してきたんだ!
眞衣姉さんと有留はまぁほぼ最初から攻略していようなものだけど、結果的に俺は個性派6姉妹を乗り越えてきたんだ。

 芽呂が部屋を出て行き、入れ違いに祈織が俺に近づいてくる。
「今日の相手は芽呂、というわけだね兄さん」
「まぁ、そうなんだけど…。どうしたらいい?」
俺はまず祈織に芽呂の事について聞いてみた。すると祈織は遠いものを見るような目と疲れた表情を見せてくる。
「芽呂はね……、うん、大変だよ」
2人の間に何があったかというは俺には知らない話。でもやはり彼女は大変だという事は分かる。
「うん、芽呂は手ごわいよ」
次に有留が話に入ってくる。相変わらず突然入ってくるので慣れていたのか俺はそんなに驚かなかった。
有留も祈織ほどではないが、少し疲れた表情をしている。
「芽呂はね、姉の私の事ですら結構下に見ているからね。まぁ私としては別にそんな事は気にしていないんだけど、零音をランク付けしたら…どうなるかな?」
有留がじっと俺を見て言う。っていうかランク付けって……。
おそらく俺のランクは現在の彼女から見ればこの家庭の中でダントツビリだろう。

更新日:2010-07-03 21:40:51

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook