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ここに在るべきもの

 4月3日、今日は新しい高校の入学式がある。
朝食を終えた俺は、自分の部屋へと戻り高校の制服へ袖を通す。
鏡の前に立ち、変なところがないか確認する。よし、問題ない。
着用後にリビングへ戻ると、そこには同じく制服を着用する姉妹たちがいた。

「あっ、零音。今日から学校ね」
部屋に入って第一に眞衣姉さんが話しかけてくる。眞衣姉さんの前では祈織と明澄がお互いの制服をチェックし合ってた。
「そっか、祈織や明澄も同じ学校だっけ」
俺がこの春から通う学校は中高一貫の学校。制服のデザインは違えども祈織と明澄は同じ学校の中等部に通う事になってる。
「って言ってもお前らはまだ入学式だろ。学校に正式に通うのは7日からだっけ?」
同じく部屋にいた虎子姉さんが話しかけてくる。虎子姉さんは大学生であって、俺達の学校の生徒ではない。姉さんの通う学校ではまだ春休みなのか、今日は家にいるようだ。

「まぁ、そうだけど」
虎子さんの発言の後、多雪姉さんが部屋に入ってくる。どこか見覚えのある制服を着ている。
それは俺の通う学校の女子生徒が着用するセーラー服。そう、多雪姉さんは俺が通う学校の高校三年生である。

 いつもと違った感じの朝。それは、これから入学式という大きなイベントがあるから。
ところが雰囲気が違うのはそれだけではない。
「あれ、そういえば有留は?」
俺が辺りを見渡すと、こういう日に一番騒ぎそうな有留の姿だけがない。どこへ行ったんだ?
すると扉がガチャリと空き、俺はそっちのほうに視線をやった。
「お待たせー」
多雪姉さんが入ってきたのと同じ扉から有留が部屋に入ってくる。驚く事に、有留も多雪姉さんと同じ制服を着用している。
「驚いた?今年から同じ高校に通う七ツ矢有留だよ!」
ビシッと敬礼するようなポーズをとって制服を見せびらかす有留。
「知らなかった……、ってか何で姉さん達黙ってたんだよ」
「「聞かれなかったから」」
虎子姉さんと多雪姉さんが揃って答える。そりゃそうだけど……。俺が
「ま、まぁ同じ高校のほうが色々と都合がいいからいいじゃない。あっ、そうだ零音」
眞衣姉さんが俺に1つの手帳を渡す。その手帳の裏側を見ると、俺の顔写真に名前や住所と言った証明書が入っていた。そう、これは俺が通う学校の生徒手帳だ。

更新日:2010-05-15 21:29:59

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