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「零音ー!醤油!!」
「はいはい……」
そう指示されては冷蔵庫から醤油を取り出す。ところがなんか机からバンバン、と叩くような音が聞こえてくる。
「違う!残り少ない方だ!」
知らないよ。まぁ姉さんには姉さんなりのこだわりがあるんだろう。見る限り俺には全く違いが分からないが……。
 とまぁこんな構い方をしてくる、休む暇もなく。
でも虎子姉さんのような人は年下の異性にちょっかいを出すタイプ、代表的なお姉さんの一人ともいえる。
どちらかと言えばそういう人は言えば好きな方だが、実際に触れ合いなどはなかったからな…。
正直、どう接していいかよくわからない。

「虎子、うるさい」
多雪さんが静かに注意してきた。目線も前を向いたまま黙々と食べている、ものすごい興味のなさそうな顔で。
虎子って……、多雪さんは虎子姉さんの妹なのに。
しかも虎子姉さんはこれといって言い返さない、もしかしてこれが当たり前なのか?

 朝食を終え、今日から眞衣姉さんが仕事に出る。1日と2日は俺の事もあって有給休暇を取っていたため、今日から通常出勤となる。なんかごめんなさい。
俺と虎子姉さんは眞衣姉さんを送り出す、しかし虎子姉さんは眞衣姉さんへの仲良しアピールなのか俺の肩に腕を回し、楽しそうに手を振っていた。
残った6姉妹と俺はというとゆったり家で春休みを満喫している。
芽呂と祈織は勉強かなんかかは分からないけど部屋にこもって、明澄はテレビを独占し、有留はソファでだらごろ。

虎子姉さんはというと、
「おーい、テーブル汚れてんだけど?」
「だったら姉さんが拭いといてよ。俺は眞衣姉さんがいない間に家事を色々とやっておかなくちゃいけないんだから」
春休みを満喫しようと思ったが俺は皿洗い、虎子さんはそんな俺にソファにだらんと座りながらあれこれ指示してくる。
「おー、ガンバレー」
同じく寝転がっていた有留も俺を応援してくる、なんかやる気のなさそうな感じで。

更新日:2010-06-28 21:45:06

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