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 恐る恐る虎子さんの部屋の前にたどり着いた俺、正式には虎子さんと多雪さんの部屋である。
正直怖い、なんかあの人の事だから殺されてもおかしくない。だが眞衣姉さんの期待に応えるため俺がいかなくちゃならない。

勇気を振り絞って静か~に扉を開け部屋に入り込んだ。
虎子さんは爆睡していた。とりあえずセーフといえるのだろうか。まぁ着替え中に入らなければ第1セーフか。
いや、でもここで起きられたらそれはそれで怒られると思う。結果的に起きていようが寝ていようが何をしても見つかれば怒られる⇒バッドエンドという事になる。一体どうすればいいんだ。
結局俺はそのまま考えこみ何も起こそうとしない、行動も虎子さんも。
「…んあ?」
当然時間が時間なだけに自然と事件は起こってしまった。虎子さんが起きた、早速こっち見た、目が合った。
「………うあああぁぁ!!!!」
あっ、俺死んだ。

さようなら、眞衣姉さん…。親父、今そっちに行くよ……。

 数分後のリビング、虎子さんはものすごく不機嫌そうな顔で朝ごはんを食べている。
俺は、というとなんかとんでもない顔になってる。とりあえずあちこちヒリヒリしている。
そんな俺を、残りの6姉妹は何事かと思ってるのかジッと見てくる。
「やっちゃったね」「痛そう」「馬鹿でしょ」、口にはしてないがそんな声が聞こえてくる。

「と、虎子?零音に何をしたの?」
眞衣姉さんが苦笑いしながら虎子さんに質問した。それに対し虎子さんは表情1つ変えずに手を止める。
「そいつがアタシの寝起きを襲おうとしたんだよ。だから半殺しにしてやった」
「誰が虎子さんの事なんか襲うんですか。」
「あぁ?それはアタシに異性としての魅力がないって事か?」

正直言って俺もあまり機嫌がいいほうではない。2日目の朝からこんなんじゃこの先体がもたない。
でもまぁいちいち文句は言ってられない、俺はこの家に住ませてもらってる身なんだから。
だからといってこの先もこんな感じでやっていったら本当に死んでしまう。

更新日:2010-06-28 21:32:11

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