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いたよここに後者が。六女の明澄が楽しげな顔で答える、でもそれは何も分かっていないかのような顔だ。
「これもまた運命、個人の自由はどうであれ運命は受け入れなければいけないのか…」
「眞衣姉さんがいいならそれでいい。あと小さいって言うな」
五女の祈織と七女の芽呂が同じく自分の意見を言う。祈織は難しい顔で、芽呂は興味がなさそうな顔でこちらも目も合わせてくれず。
っていうか眞衣さんと虎子さん以外かなり俺の事を適当に扱っているように見えるのは俺だけか?

 結果、眞衣さんや虎子さんを中心として言い争いが始まる。原因である俺はカヤの外。あぁ、なんだか申し訳ない。
それでもって虎子さんは何も持たないで、バタンとドアを叩くかのようにして家を出て行ってしまった。
「出て行っちゃったね」
「まぁいつもの事だもんね」
有留と明澄がさらりと言う。虎子さんが家を出て行ったことに対して姉妹達は軽い反応を見せてくる。あぁなんだ、いつもの事か。
ってホッとしちゃいけないだろう。虎子さんは俺が原因で出て行ったんだから。
でも帰ってくるという保証もあるみたいだし、変に追いかけるのも悪いしな…。
 そんな虎子さんに合わせるかのように、他の姉妹達も部屋を出て行こうとする。
「あれ、もう行っちゃうの?」
"もう"というなんだかもっと一緒にいたい感を思わせる単語が出てきてしまった。
そんな風に引き止める俺に対して姉妹達は真っすぐ見てきたり、チラ見してきたり、やっぱり目も合わせなかったりしてきた。
「……テレビ見る」
「友達と約束があるからー♪」
「信者の集い!」
「おやつの時間ー!」
「勉強。あと馴れ馴れしくしないで」
一人ひとり理由を述べた。っていうか芽呂…。

 多雪さんと明澄と芽呂は2階へ行き、有留と祈織は家を出て行く。
リビングには俺と眞衣さん2人だけになる。さっきまでと違って非常に静かな空間がそこには広がった。
部屋には分かりやすいぐらいシ~ンという文字がお似合いだ。

更新日:2010-06-28 21:28:18

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