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 思った瞬間、予想通りあの荒々しい姉さんが、両手で机をバンッと叩いて立ち上がった。
「だから無理だっつーの!アタシらは女だと思っていたから受け持ったんだけどコイツ男なんだぞ!?」
今まさに俺が思ったことをそのまんま口にした。思ったとおりだ。
「ま、まぁたしかに戸惑うことはあるかもしれないけど、彼だってお家の都合で来ているわけだし…、そんなに否定しなくても」
たしかにその通りです、半分無理やりな感じで来らさせているわけなんだし。でも正直俺自身もどちらかといえばこの人達と一緒に住むはまずいと思う。
いろんな意味で。

「じゃ、じゃあみんなの意見を聞いてみようか?ね?ね?」
ちょっと困った顔をして優しい人が体の前で両手の指を絡ませながら言う。それに対して少女達は俺の同居に関して順番に一言意見を述べる事になった。
「断固拒否」
「興味なし」
「別にいいよー」
「神が定められた事とあらばそれは我らが使命!」
「どっちでもいいよー!」
「役に立つのであれば」
荒々しい姉さん、冷たい人、意味もなく叫んでいた15歳の子、訳の分からないメガネっ子、ツインテールの子、賢そうな小さい子が順番に言った。
なんか意外とどうでもいいと思われていたことに驚いた。っていうかメガネのキミはさっきから何がいいたいんだろう。
それに一番小さい子はさっきの態度といい、どう見たって俺を格下に見ているとしか思えない。

「あぁ……、やっぱ俺歓迎されていないんですね」
分りやすいくらい落ち込む俺。だって6人から一気にダメージ受けるんですもん……。
「そ、そんな事ないですよ!」
俺をフォローするかのように優しい人が言う。彼女自身は俺の事を歓迎してくれているようだが、やっぱり何か少し抵抗があるみたいだ。
同じ家に住む事は決定事項。というわけで俺星名零音はこの7姉妹とどうにか打ち解けなければいけない。
一応これから一緒に住むという事になるのだが、やはり家庭内いじめとか受けそうで怖い。どうにかしないといけない。

更新日:2010-06-28 21:03:49

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