この状況、お互いというかここにいる８人全員が理解に苦しんだ。
俺側の事をまとめると、ある日ここにいる７人の姉妹を親父が引き取る事になった。だが俺は２人以上いるという事だけしか知らされておらず、７人いるという事を知らなかった。しかしその親父は３月に突然死亡。
以降俺はあらゆる手段を駆使し、１ヶ月間一人で生き延びてきた。そして本日３月３１日。神宮寺昴さんという親父の知人を名乗る人が来て、俺がこの家へと案内される。

続いて七ツ矢姉妹側のまとめると、７姉妹の唯一の親であった母親がこの間病死してしまい、以降７姉妹でなんとか生き延びてきた。
俺の親父の生前、何らかの触れ合いがあり俺の親父がこの７姉妹を引き取る事になった。この人達の話によると俺の親父と７姉妹は顔を合わせたらしい。
その時点で俺という人間の存在を知っていたらしいが、名前も性別も知らなかった様子。

そして親父の死後、やはりあの神宮寺さんがこの７姉妹と話をした結果、俺が逆にこの家に来る事になった。
ここで初めて俺の名前「星名零音」が明かされる。もちろんこんな名前だからか女と勘違いした姉妹達はこの件に関して引き受けてくれた。
優しい人は一応色々と確認したみたいだが"性別”などは「会ってからのお楽しみです」と言ったそうだ。


そうして見事現在パニックに陥ってしまった。


　そして俺がこの家にやってきてから４０分近く経った頃。お互いの意見（と言ってもほとんど一方的にあちら側から)が飛び交った後、大体全員が落ち着いて状況を理解し始めた。
「つまり……キミが星名零音君で、神宮寺さんの案内で私達と一緒に暮らすという事になった。それにお互いにそれぞれの素性や事情は理解していないまま今ここにいるっってわけ…かしら？」
「……みたいですね」
優しい人と会話を交わす俺。どうにかまとまることができた。
だが問題はこれからだ。彼女達は俺を女と思い込んでいて一緒に暮らす事を受けてくれた、しかし年頃の男と分かったからには対応は１つしかない。

引き受け拒絶。