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どうして小説を書くの?
起立。
気を付け。
霊。
着席。
皆さん、こんばんは。元気にしていましたか?
「いっそ殺してくれ……」
と言いながら花粉と戯れて過ごした仙花です。魂の半分は彼(あ)の世です。
では賽ノ河原から授業をお送りしますね。
早速ですが今日のテーマを発表します。
と言っても章タイトルに付いちゃっていますね。
では皆さんご一緒に、さんっはいっ!
「「「〝どうして海は青いの先生?/ミカちゃん、それはね……〟」」」
はい、では小一時間みっちり論じていきましょう。
私が初めて小説を書いたのはたぶん、小学校6年生の時でした。
「早っ!」と思われた方もいるでしょう?
ところがDOKKOI(どっこい)、これは序章ていどで途切れてしまいました。
当時、単身赴任を始めた父に月一で自作の新聞を送ろうとしたんです。
推理小説(シャーロック・ホームズやアルセーヌ・ルパン)が好きだった私は、近況報告などの片隅にちょこっと連載を試みました。
タイトルは憶えていませんが、確か密室殺人を扱おうとしたような記憶が霧の奥に揺れています。
新聞は三ヶ月坊主で終わりました。つまり、ルーツというほどの執筆経験値に達していません。
時は流れて太平洋戦争終結。
焼け野原を彷徨う私は、ふとした切っ掛けで『小説を書く』ということに再会します。
(※一部フィクションが入りました。ヒント:『』)
こほんっ。
…皆さんは何故、小説を書き始めたのですか?
「本が好きで、自分でも創ってみたいと思ったから」
「プロの小説家になりたいと思ったから」
という方ももちろん沢山いることでしょう。
私の最初の動機は「笑顔にさせたい」でした。
それはなんてことのないちっぽけな世界でした。
でも、その時の私にとっては大切な、守っていきたい場所でした。
その場所でささくれ立つ人々の心を見ているうちに、自分に何か出来ないだろうかと悩んだ私は「思わず笑ってしまうような物語を創って発表してみよう」と、自分でも驚くような勇気を振り絞ります。
そして生まれたのは、掌編とも言えないような短い、でも人生で初めて完結した物語。
心拍数100/秒 を数えながら私はこっそりと発表してみました。
翌日、私の小説に「楽しんだ」と感想が残されていました。
たった三人、でも三人の人間。
三人の人生のひと時に、私の物語は小さな元気を与えることができたのです。
そのことに予想もしなかった感動を覚えながら、同時に私はあることに気付きます。
〝一番、元気を貰ったのは、私自身だ〟
その日、やっと知りました。
自分が苦しみを抱えているのなら、誰かの苦しみを和らげればいいんだ。
自分が孤独から救われたかったら、誰かを孤独から救えばいいんだ。
自分が笑顔になりたかったら、誰かを笑顔にすればいいんだ。
それから私は小説を紡ぎ始めます。
水中で空気を求めるように。
洞窟で出口を求めるように。
「あなたは生きていいんだよ」と、聴こえてくる声を途切れさせないために。
私は小説に生かされています。
読者様を想い浮かべるたびに、自分が存在しているということを確かめています。
いつか世界中の人々に「今日一日を頑張る元気」を与えたいです。
それが叶ったとき、私は「生きてきてよかった」と世界中の誰よりも強く想える気がするんです。
これが、私が小説を書く理由のひとつ、です。
-海が青いのはね、お空に自分の姿を見せてあげているんだよ。-
仙花
起立。
気を付け。
霊。
着席。
皆さん、こんばんは。元気にしていましたか?
「いっそ殺してくれ……」
と言いながら花粉と戯れて過ごした仙花です。魂の半分は彼(あ)の世です。
では賽ノ河原から授業をお送りしますね。
早速ですが今日のテーマを発表します。
と言っても章タイトルに付いちゃっていますね。
では皆さんご一緒に、さんっはいっ!
「「「〝どうして海は青いの先生?/ミカちゃん、それはね……〟」」」
はい、では小一時間みっちり論じていきましょう。
私が初めて小説を書いたのはたぶん、小学校6年生の時でした。
「早っ!」と思われた方もいるでしょう?
ところがDOKKOI(どっこい)、これは序章ていどで途切れてしまいました。
当時、単身赴任を始めた父に月一で自作の新聞を送ろうとしたんです。
推理小説(シャーロック・ホームズやアルセーヌ・ルパン)が好きだった私は、近況報告などの片隅にちょこっと連載を試みました。
タイトルは憶えていませんが、確か密室殺人を扱おうとしたような記憶が霧の奥に揺れています。
新聞は三ヶ月坊主で終わりました。つまり、ルーツというほどの執筆経験値に達していません。
時は流れて太平洋戦争終結。
焼け野原を彷徨う私は、ふとした切っ掛けで『小説を書く』ということに再会します。
(※一部フィクションが入りました。ヒント:『』)
こほんっ。
…皆さんは何故、小説を書き始めたのですか?
「本が好きで、自分でも創ってみたいと思ったから」
「プロの小説家になりたいと思ったから」
という方ももちろん沢山いることでしょう。
私の最初の動機は「笑顔にさせたい」でした。
それはなんてことのないちっぽけな世界でした。
でも、その時の私にとっては大切な、守っていきたい場所でした。
その場所でささくれ立つ人々の心を見ているうちに、自分に何か出来ないだろうかと悩んだ私は「思わず笑ってしまうような物語を創って発表してみよう」と、自分でも驚くような勇気を振り絞ります。
そして生まれたのは、掌編とも言えないような短い、でも人生で初めて完結した物語。
心拍数100/秒 を数えながら私はこっそりと発表してみました。
翌日、私の小説に「楽しんだ」と感想が残されていました。
たった三人、でも三人の人間。
三人の人生のひと時に、私の物語は小さな元気を与えることができたのです。
そのことに予想もしなかった感動を覚えながら、同時に私はあることに気付きます。
〝一番、元気を貰ったのは、私自身だ〟
その日、やっと知りました。
自分が苦しみを抱えているのなら、誰かの苦しみを和らげればいいんだ。
自分が孤独から救われたかったら、誰かを孤独から救えばいいんだ。
自分が笑顔になりたかったら、誰かを笑顔にすればいいんだ。
それから私は小説を紡ぎ始めます。
水中で空気を求めるように。
洞窟で出口を求めるように。
「あなたは生きていいんだよ」と、聴こえてくる声を途切れさせないために。
私は小説に生かされています。
読者様を想い浮かべるたびに、自分が存在しているということを確かめています。
いつか世界中の人々に「今日一日を頑張る元気」を与えたいです。
それが叶ったとき、私は「生きてきてよかった」と世界中の誰よりも強く想える気がするんです。
これが、私が小説を書く理由のひとつ、です。
-海が青いのはね、お空に自分の姿を見せてあげているんだよ。-
仙花
更新日:2010-06-16 23:35:30