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小説

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10.ミントゼリー

レモン星にまた夏がやってきたので、クーさんもレモン星に長期滞在でやって来た。
クーさんはゴディ星の夏よりちゅら星の夏よりレモン星の夏が一番好きなのだそうだ。
「来週ピンクのクマのドームに行こう。」
久しぶりのちゅら星への誘いにワクワクした。
「温泉で会ったグリーンのクマがパーティを企画したらしいよ。」

車を降りると、ピンクの女の子グマが出迎えてくれた。
涼しげなミントの香りがしている。
そこは直径50メートルくらいの円形の部屋で、壁は微かに向こうが透ける氷砂糖のような感じの壁で、床はアイスブルーの天然石のようだ。
ピンクの女の子グマに案内されてその部屋を出てみると、明るい日差しが差し込むガラスのドームの中央に白い柱があり、僕らはその中から出てきたところだった。
「ほら見て。」と女の子グマが床を指した。
床はドームの壁面のように半透明で薄緑色をしている。
よく見るとその下で何か動いているようだ。
「うわぁ、水族館になっているの?」と僕はちょっと大きい声をあげた。
そして膝をついて床の中をのぞいてみた。
「どお。水族館じゃなくてごめんね。」と悪そうに女の子グマが小さく言った。
なんとパーティに来た人たちが泳いでいるのだ。
それから僕らはガラスのらせん階段を降りて、シールドルームを通った。
けれども今回は半透明人間にはならなかった。
僕らが着てきた服のままなのだが、キラキラした粉のようなものに覆われているのだ。
キラキラにシールドされた僕らは、白い大理石の広間に案内された。
ミントの香りに満たされている広間の先には、一面の薄緑色が広がっている。
そして「楽しいわよー。」と言いながら、ピンクの女の子グマは薄緑色の中に飛び込んで、もぐっていってしまった。
僕らもこわごわ飛び込んでみると、なんとそれはミントゼリーなのだ。
そして潜っていってもぜんぜん苦しくなってこない。
奥の方に進んで行くと人影が増えてきた。下の方には明るく輝くドームが見える。
僕らがドームの近くまで泳いで行くと、自動的にドームの中に吸い込まれてしまった。

更新日:2008-11-28 16:15:19