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小説

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9.雨の日の訪問者

あれからクーさんはレモン星で少しの間過ごし、春の畑の手伝いがあると言うのでゴディ星へ帰って行った。

そしてレモン星もようやく半そでが着れる季節になってきた頃、久しぶりにユニヴァから手紙が届いた。
「ピーちゃんへ」
「いつまでたってもちゅら星に来てくれそうもないので、こちらからレモン星に遊びに行っちゃいます。」
僕は久しぶりにユニヴァに会えることを待ち遠しく思った。

ここのところ雨が降り続いている。
窓の外には濃い紫色のあじさいが咲き乱れている。
僕は桜貝に小さな穴を空ける作業をしていた。
何か動いたので窓の外をみる。あじさいが風に揺れたのだろうか。
気がつくと通りをあじさいが歩いているではないか。
不思議に思って、傘もささずに通りに出てみたが変わったものは何もない。
すると突然後から誰かが声をかけた。
「はい傘だよ。」
紫色の目をクリクリさせた小さなシロクマがあじさいを差し出していた。
僕は無意識に傘と言うところのあじさいを受け取っていた。
レモン星で進化したタイプのクマを見るのは初めてのことだ。
「どこからきたの?」
シロクマはただ目をクリクリさせて僕を見ているだけだ。
「迷子になっちゃったの?」
シロクマは僕の言葉に耳を貸す気もないようで、僕の庭のあじさいに手を伸ばしてもう一花採って、走って行ってしまった。
部屋に戻って桜貝の作業を続けていると、ドアのところに気配がしたので外に出てみた。
あじさいの傘二つ。
さっきのシロクマと、黒猫の着ぐるみのユニヴァだ。

更新日:2008-11-28 16:12:17