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小説

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5.ちゅら星の海

持ち帰った10個のチョコレートはレモン星の友達と家族に大好評だったので、結局僕の分は一つも残らなかった。
冷蔵庫にユニヴァからもらった食べかけの板チョコが残っていたのが幸いだった。

何が発祥なのかは知らないのだが、チョコレートをやったり取ったりする日がある。
ちゅら星でもそんなイベントが流行っているらしく、それに向けての試食会だったのだ。
そのイベントの日が正確に何時なのかは知らない、僕のレモン星ではまだあまり知られていないし、チョコレートはよく食べるけれどチョコレートブティックなんてものも存在しないのだ。
そんな頃、またユニヴァから宇宙便が届いた。小さな小包だ。
銀色の冷却パックに包まれていたのは『密林の静寂』だった。
きっとあの時の注文書で僕宛にも注文してくれていたのだと思ったら、とても嬉しい気持ちになった。
そして『密林の静寂』を一粒口に入れて試食会の時を懐かしく思った。
翌日、港の近くのマーケットに出かけ、カニの缶詰とウニの缶詰を箱に詰めて、チョコレートのお礼の手紙を添えてユニヴァへ宇宙便を送った。
それから僕はクーさんから、またちゅら星旅行への誘いのメールが来ないだろうかと待ち遠しく思った。
このところ僕の住んでいる辺りはだいぶ寒くなってきていて、海をうろつく気にもなれなかった。
あれからはクーさんもレモン星には来ていなかったようで、メールの返信がくることもなかった。その代わりだいぶたったある日一度だけ手紙が来た。
「来月までは僕らの住む地域は収穫時期で全員総出の収穫が続く予定だ。それが終わったらまたレモン星に行くからね。そしてまたちゅら星にも出かけよう。それではお元気で。」
だから僕は夏の間に集めた貝で貝細工をせっせと作る毎日なのだ。

更新日:2008-11-27 16:54:57