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小説

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4.ラブリーカカオのチョコレート

僕とクーさんは、例のガードレールに腰掛けてちゅら星に行く車を待っている。
きょうのクーさんは黒のジーンズにこげ茶のボタンダウンのシャツだ。
僕はカーキ色のワークパンツに黒猫の絵の濃紺のTシャツ。
今回はパーティではなくて、チョコレートの試食に行くのだ。

車がスピードダウンして走行しはじめたので、僕はシェードを上げて外を見てみた。
眼下にはちゅら星の海が白く輝いていた。
横からクーさんが説明をした。
「ほらあれがこの前のユニヴァのドーム。それからあれがピンクのクマが住むドーム、
いつかあそこにも連れて行くよ。きょうは向こうに見えてきたあのドームへ行く。」
遠くからはキラキラ光る球体にしか見えないけれど、ドームの近くまで来るとうっすらドームの中が透けて見えた。
木がたくさん見える、森かジャングルみたいだ。
こんなのを何処かで見たことがある、熱帯植物園だ。
車が到着したのは芝生の広場のようだった。
近くに苔むした石の噴水がある。広い広場を取り囲むように木のベンチが並んでいる。
クーさんはうーんと伸びをして、大きく深呼吸した。
「森林の香りがするよ。」
僕も深呼吸してみた。
広場の周りは森になっていて、ベンチとベンチの間には森へと続く小道の入り口があちこちに見える。
歩き出したクーさんに僕は付いて行くだけだ。
クーさんは近くの小道へと入って行く。
湿った土を踏んで森を進んで行くと、まもなく大小不揃いの石で取り囲まれた小さな池があった。
池の中は藻がいっぱいで、灰色の金魚が何匹かじっとしていた。水面にはアメンボがスルスルと滑っている。

更新日:2008-11-27 16:45:18