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秘密にしてくれ!

放課後の部室。


野梨子がお茶を入れ、みんなに配り終え椅子に座る。

 「きゃああ!」

足に何か生温かいものがさわったのだ。

机の下をのぞくとそこには男山!



 「どうしてここに男山が・・・」 野梨子は犬の頭をなでながら聞く。


 「わりぃ。オレも忘れてた。今日コイツを注射に連れてかなくちゃ

  行けないんだけど、こわがってダメなんだよ。家からすら出られなくてさ・・・

  とりあえず学校まで連れて出して帰りに寄ることにしたんだ」


 「そうでしたの」


注射という言葉に身をかたくする男山。



 「魅録が甘やかしてるからこんな軟弱犬になんだよ。

  あたいんとこで鍛えてやろうか?」

悠理がビクツク男山に追い討ちをかける。


 「あらいい案じゃなーい。動物は動物同士。。。」 と、可憐。


 「なるほど食べ物争いでもすればかなり鍛えられますな」 と、清四郎。


 「ほら、みろ!言われてるぞ。りっぱな成犬のくせに手間かけやがって」


魅録が足で男山を突付くと、助けを求めるように野梨子にひざにのしかかった。


更新日:2010-06-10 12:25:56

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