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「なんだ?」
兄が外に出てあたりを見回した。

吹雪で人1人歩いてない。

「あぁ…来たんだべな」母はつぶやいた。父は何も言わない。「霊なんか信じねぇ」と日ごろから言っていただけに、何も言えなかったのかもしれない。


すると、今度は屋根を歩いている。


その足音は、長靴で歩くような音だった。

甥はずっと
「この長靴はいて学校行くんだ!」と病床にて楽しみにしていた……
だからおそらくはその長靴だと思われる。

両親 兄 母は、その足音を聞きながら涙した。まだ7歳だ。

…そうして夜は更け、寝ることにした。


だが、足音は続いていた……

更新日:2010-02-17 21:37:16

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