母は、10年前に交通事故に遭った。

原付に乗っていたところを、横から出てきた乗用車に跳ねられたのだ。

目撃者によれば、脇の住宅街から一時停止もなく出て母を跳ねたので母は空中に投げ出され10メートルほど飛んだらしい…。

誰もが
｢あれはもうダメだ｣と思ったらしい。

救急車が来るも、母は気を失っていた。


…その時…
母は亡くなった両親と対面していた。

その両親の後ろには大勢の人(？)がいた。

自分よりも先に亡くなった懐かしい親戚……直感的に｢先祖だ｣と思った人たちが立っていた。

皆 心配そうな顔をして母を見ていた。

両親は
｢まだ来るな、まだお前ぇの来るとこじゃねぇ｣

｢来るな！｣

そう言いながら首を横にふっていた。

不思議なことに、口を開いていないのに会話ができた。


母は
｢あぁそうか、まだなんだな｣と思い

｢…わかった…｣と返した。


…そう思った瞬間、目が覚めた。