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母の甥がやってきた夜

これは母がまだ13、4歳ぐらいの時、両親、兄と秋田にいたころの話。
(※母視点で書きます)


かなり年の離れた姉は、北海道で夫と子供と3人で住んでいた。

でも、その子は赤ん坊のころから腎臓が悪く小学校への入学式も出られないほどだった。
それを可哀想に思った母は、甥に手紙や当時流行った「抱っこちゃん人形」などを送ってやっていた。
それを甥は喜び「会ってみたいなぁ」とよく言っていた。

だがある晩、母の家に電報が届いた。(昔は電報がメインの時代だったのだ)

…甥の訃報だった。
「ダメだったか………」と母(私の祖母)はつぶやく。

その時だった。
サクッ ミシッ…誰かが外を歩いている…

更新日:2010-02-17 21:34:25

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